症例は70歳男性,家族歴,既往歴に特記事項なく,心窩部激痛,背部痛及び微熱を主訴として6月22日来院.汎発性腹膜炎の疑いにて開腹するも,胆嚢壁肥厚と,小胆石8個を確認摘出するに止る.入院2日目に至り胸痛,呼吸困難現出,入院9日目に膿気胸を認め,入院2週目中部食道破裂の診断で,左上下葉剥皮術,中及び左側縦隔洞ドレナージ及び十二指腸瘤造設術を施行した.瘤孔は3 cm x 1.5 cmで縦隔胸膜が心膜と接する所より上方に縦に認められたが,発症後の時間が長く,瘤孔縫合閉鎖術は不可能であった.術後,食道瘤孔部狭小化を認めるも全身状態悪化し,入院50日目死亡した.
著者名
篠原昭博, 他
巻
4
号
3
頁
148-153
DOI
10.11482/KMJ-J4(3)148
川崎医学会は,川崎医科大学ならびに附属病院の教員,レジデント,研修医,大学院生を中心に,医学の研究を奨励し,会員相互の学識を高め,
医学の進歩に貢献することを目的として1975年に設立されました。
本サイトでは,川崎医学会発刊の機関誌(川崎医学会誌/Kawasaki Medical Journalならびに川崎医学会誌―一般教養篇ー)に掲載された論文を紹介し,
本会設立の目的を達成するとともに,広く医学研究に貢献するために開設いたしました。