Online edition:ISSN 2758-089X
内毒素による直接的な細胞障害作用の研究
群体形成緑藻の一種であるPleodorina californicaをパイロット細胞として用い,内毒素のin vitro における直接的な細胞障害作用を調べた. P.californicaの粘液多糖類の分泌が内毒素によって特異的に阻害され,この結果,光学顕微鏡下でも明らかな形態形成異常群体が生じる.内毒素の化学構造と活性の関係をこのようなP.californicaの異常な群体をメルクマールにして調べた.内毒素の三種の単独成分(脂質,糖質,タンパク質成分)のうち単独で活性を示したのは糖質成分のみであった.また,LPS(糖脂質)の活性は糖質成分の活性よりも高く,LPS.Pro(完全な内毒素)の活性はLPSの活性よりも高かった.単独成分のうちタンパク質成分は糖質成分やLPSさらにはLPS.Proに添加することによりそれぞれ活性を増強することが示された.
- 著者名
- 美禰 弘子
- 巻
- 3
- 号
- 2
- 頁
- 83-88
- DOI
- 10.11482/KMJ-J3(2)83