h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

水痘および帯状疱疹の抗体レスポンス-ブドウ球菌の生物学的活性を応用した抗体の解析-

水痘および帯状疱疹患者113例について,ブドウ球菌を使って,非特異的に血清中の免疫グロブリンの吸収を行ない, Varicella-Zoster Virus (VZV)抗体について吟味した.ブドウ球菌吸収処理を行なうことによって,帯状疱疹では,54例中50例(92.6%)は, CF抗体が陰性になった.しかしながら,水痘では,40例中15例(37.5%)であった.すなわち,水痘と帯状疱疹では血清中のCF抗体活性のブドウ球菌への吸着のおこりかたに,明らかな違いがみられた.螢光抗体法によって,ブドウ球菌処理後の血清について, SpecificIgM抗体の検索を行なってみた結果,水痘では, Specific IgM抗体を検出することができたが,帯状疱疹では, Specific IgM抗体の証明をすることができなかった.本報告は,水痘と帯状疱疹のあいだの抗体レスポンスに,質的な違いがあることを,ブドウ球菌の生物学的活性を利用することによって見い出した最初の報告である.
著者名
小野 義三, 他
2
1
20-25
DOI
10.11482/KMJ-J2(1)20

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