胃Reactive Lymphoreticular Hyperplasiaの1例―症例と文献的考察― 34歳の女性でレ線,内視鏡的にBorrmann Ⅳ型進行癌あるいは悪性リンパ腫に類似する所見を呈した胃体部のReactive Lymphoreticular Hyperplasia の1例を報告した.本症が直面している多くの問題点のうちの1つに,それら悪性疾患からの臨床的な鑑別があるが,本例では胃の粘膜病変が経過とともに明らかにその形状を変えており,この所見が診断のための1つの指標になるように思われた.また本例ではツ反応が陰性で胃液は低酸を示していた.これらの点につき,過去の報告例を併せて主に臨床的視点から2,3の考察を加えた.