h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

ACTHのラジオイムノアッセイ

血中ヒトACTHのradioimmunoassay法を試みたので報告した.CM-celluloseで吸着したブタACTH lmg をFreundのcomplete adjuvant と共にmultiple injectionでモルモットに免疫し抗血清を得た.この研究には10回の免疫後にモルモットより得られた抗血清を50,000倍に稀釈して用いた.標準ACTHおよび標識ACTHとしては高純度の天然ヒトACTH(Li,α1-39h ACTH)を用いた.BoundとFreeのホルモンの分離にはdextran被覆charcoalを用いた.血漿サンプルからのACTHの抽出はDonaldの方法に準じ, silicic acid を用いた.我々の得た抗血清はACTHのC末端側と反応するものと考えられ, ACTH以外の下垂体ホルモン(GH, TSH, LH, FSH, HPr, oxytocin, arginine-vasopressin およびlysine-vasopressin)とは交叉反応を認めなかった.健常人5例の午前9時の血漿ACTH値は32.0±8.5 pg/ml (M±S. D.)であり,シーハン症候群および治療を中断した副腎性器症候群各1例では,それぞれ20 pg/ml 以下および194 pg/ml であった.両側副腎の結節性過形成を認めたクッシング症候群では血漿ACTH値は正常レベルを示し,日内リズムは消失していた.また,クッシング病が考えられた1例では血漿ACTH値の上昇を認め,日内リズムは消失していた.
著者名
松村 茂一, 他
2
3.4
131-136
DOI
10.11482/KMJ-J2(3.4)131

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