Online edition:ISSN 2758-089X
虚血性心疾患における左心機能の検討-左心カテーテル検査および左室造影映画像の解析-
左心カテーテル検査および35 mm左室造影映画像の解析により,正常例5例,虚血性心疾患13例の左室機能を計測し,検討した.1.正常例の左室機能は次の如くであった.左室拡張終期容量122.2±9.2 ml, 収縮終期容量35.5±6.2 ml,一回心拍出量86.7±6.1 ml, 駆血率71.3±3.4%,左室拡張終期圧9.4±0.4 mmHg, 平均駆出率299.6±22.2 ml/sec,左室一回仕事量119.4±18.1gM,左室円周平均短縮率23.1±2.3 cm/sec, 左室一回仕事量,拡張終期圧比12.6±1.6 gM/mmHgであった.2.狭心症,左室壁不共同収縮をともなわない心筋硬塞例では左室拡張終期圧を除く各種左室機能は殆んど正常範囲であった.3.左室壁不共同収縮をともなう心筋硬塞群では著明な左室機能の低下を示した.4.虚血性心疾患では左室拡張終期圧および左室拡張終期容量が左室機能を最も敏感に反映し,有効な指標である.
- 著者名
- 藤原 巍, 他
- 巻
- 2
- 号
- 3.4
- 頁
- 137-145
- DOI
- 10.11482/KMJ-J2(3.4)137