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Online edition:ISSN 2758-089X

増加する虚血性心疾患-知名日本人と一般日本人の死因分析とその推移-

本邦においても近年虚血性心疾患が増加している事実にかんがみ,環境において近代的欧米風の生活を送っていると考えられる“知名人”と一般人とを対象にして,両者の死因とその推移について検討を試みた.“知名人”死因に関する資料は1973年度版と1953年度版の新聞紙上に発表された死亡者から得られたものである.最近の“知名人”と全人口とにおける心疾患死亡率は,前者が29.4%で第1位,後者は12.5%で第3位であった.一方,20年前では前者が18.6%で第2位,後者は7.3%で第6位であった.また,後者における,および年次推移による心疾患死亡増加の内訳は虚血性心疾患のそれであることが明らかとなった.以上,年次の把握に基づく虚血性心疾患の増加はもとより,このことが“知名人”において一般人よりも著しかったことは本症と近代欧米式生活様式との関連が重視されるという点で重大な問題であろう.
著者名
山岸 剛, 他
1
2
95-99
DOI
10.11482/KMJ-J1(2)95

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