1.42歳女性,右乳房原発性リンパ肉腫の1例を報告した.右乳房切断術およびリンパ節廓清術後,60Co照射を行ったが,術後11ヵ月で肝脾腫,顎下・Virchowリンパ節腫大を示し死亡.2.本乳房リンパ肉腫は,手術時および術後約10ヵ月間リンパ節病変を認めなかったことから,乳房原発性であり,組織学的検索に加えて,10%ホルマリン固定材料の電顕的検索により,びまん型リンパ芽球性りンパ肉腫と診断した.3.本例を含めて,本邦6例の乳房原発性リンパ肉腫について,その予後を検討したところ, lymphoblastic type が多く,5例までが1年以内に,1例は3年後死亡しており,乳癌より予後不良であることが判明した.
著者名
水島 睦枝, 他
巻
1
号
2
頁
106-112
DOI
10.11482/KMJ-J1(2)106
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