塩化ビフェニールのヨウ素代謝におよぼす影響 ラットに塩化ビフェニール(Kanechlor-400, KCと略記)を経口投与し,そのヨウ素代謝におよぼす影響を検討し次の成績を得た.1)血中PB 131I量の減少が認められた.2)肝臓および甲状腺の重量の増加が認められた.3)甲状腺131I摂取率および甲状腺のヨードアミノ酸組成の変化は認められなかった.4)ラットに静注された131I-thyroxineの減少が促進された.以上の成績からKCによって無機ヨウ素の甲状腺への摂取および甲状腺ホルモンの合成過程は阻害を受けないが,体内における甲状腺ホルモンの分解および排泄が促進されることが考えられる.