Online edition:ISSN 2758-089X
新たな鼻過敏症の初期病変モデルマウスの作製
アレルギー性鼻炎は臨床における検討だけでなく,in vitro やin vivo においても様々な方法で病態解析が行われている.マウスを用いた様々なアレルギー性鼻炎解析モデルの中で代表的なものとして,抗原として卵白アルブミンを用いて感作後に鼻腔局所に抗原を投与するモデルがある.これは抗原とAlum adjuvant を腹腔内投与することによって感作を成立させてアレルギー性炎症を誘導する.このモデルは病態解析だけでなく,薬剤の治療効果判定としても用いられ,新たな治療薬の検討や臨床応用につながっている.アレルギー性鼻炎は抗原特異的IgE 抗体を介した獲得型アレルギーが重要であり,早期相の誘導にはIgE とマスト細胞を介して局所に放出されるヒスタミンなどの炎症性物質が症状を起こすきっかけとなる.今回我々は,抗原特異的IgE を静脈注射して受動感作を成立させ,抗原抗体反応を介したマスト細胞からの脱顆粒で誘導されるアレルギー性炎症を中心に解析する実験モデルを考案したので,文献的考察を踏まえて報告する.
- 著者名
- 雜賀太郎, 他
- 巻
- 43
- 号
- 2
- 頁
- 109-117
- DOI
- 10.11482/KMJ-J43(2)109
- 掲載日
- 2017.11.29