Online edition:ISSN 2758-089X
本邦におけるマダニ類人体寄生例の概観―文献的考察ー(3)シュルツェマダニ刺症例
1962年~2005年に本邦で発生したシュルツェマダニ人体寄生例の報文を通覧して疫学的に検討した.症例数は248例(男性113,女性115,性別不明20)である.患者の都道府県別発生数では長野が137例(56.4%)で最も多かった.患者は11~3月を除く各月に発生しており,発生率は7月の41.9%をピークに,77.7%が6~7月に集中していた.患者の年齢は1~88歳で,50歳代と60歳代がそれぞれ17.6%で最も多かった.また,患者の年齢と性別の関係では,50歳代の女性が11.3%で最も多かった.虫体の寄生部位は,肩部が10.0%で最も多く,次いで腹部が9.5%,胸部・大腿部が各9.1%の順で,体幹部の寄生が57.7%(127例)を占めていた.患者が虫体の寄生を受けた場所は,大多数が山岳地帯であった.(平成20年10月31日受理)
- 著者名
- 沖野 哲也,他
- 巻
- 35
- 号
- 1
- 頁
- 67-80
- DOI
- 10.11482/35.067.2009_Igakukaishi_Okino_etal.pdf