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Online edition:ISSN 2758-089X

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骨髄異形成症候群50例における赤血球膜蛋白および赤血球形態の検討

 骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome: MDS)における貧血の一因として,赤血球膜蛋白異常による溶血の関与を考え,その実態を明らかにする目的でMDS 50例の赤血球膜蛋白及び赤血球形態の評価を行なった.赤血球形態では,全症例に何らかの形態異常がみられ,90%の症例では複数の形態異常が混在してみられた.膜蛋白異常を有していたのは9例(18%)で,band 3単独部分欠損3例,P4.1単独部分欠損1例,P4.2単独部分欠損3例,band 7単独部分欠損2例であった.このうちband 3,P4.1単独部分欠損症例における膜蛋白異常と赤血球形態異常の関係は,先天性膜異常症のそれと同じであった.Band 3欠損症例3例についてband 3遺伝子検索を行なったところ,1症例に病因遺伝子変異と思われるミスセンス変異が同定された. 赤血球形態異常については,染色体異常20q-を有するMDS 症例でelliptocytosis を呈する症例が存在することが報告されていることから検討を加えた.20q-を有する症例は8例存在し,そのうちelliptocytosis を呈していたのは6例(75%)であった.一方,20q-を有さない症例は38例で,そのうちelliptocytosis を呈していたのは24例(63.2%)であった.20q-の有無と末梢血のelliptocyte の割合について検定を行なった結果,有意差は認められず,20q-がelliptocytosis の病因である可能性は低いと考えられた.(平成20年10月29日受理)
著者名
末盛 晋一郎
35
1
13-25
DOI
10.11482/35.013.2009_Igakukaishi_Suemori.pdf

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