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Online edition:ISSN 2758-089X

臍帯血移植の3年後にヒトパルボウイルスB19持続感染による赤芽球癆を発症した1例

造血幹細胞移植後に生じる貧血は,骨髄の造血能低下やウイルス感染症等の様々な背景が原因となることがあり,診断が困難であることが多い.ヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19:PVB19)は伝染性紅斑の原因ウイルスであり,遺伝性球状赤血球症等の赤血球寿命が短縮している溶血性貧血患者では,急性赤芽球癆を呈することが知られている.PVB19は移植患者を含む免疫不全状態の患者で慢性貧血を引き起こすことがあり,腎移植患者などでの報告例は多く存在するが,臍帯血移植後におけるPVB19感染による後天性赤芽球癆の症例の報告はほとんどない.今回我々は,臍帯血移植が成功したのち3年を経て発症したPVB19が4か月以上持続感染している症例を経験したので報告する.
著者名
廣瀬 匡, 他
46
9-13
DOI
10.11482/KMJ-J202046009
掲載日
2020.3.24

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