h_kaishi

t_toukou

新規核酸アナログCOA-Cl による脊髄損傷後の血管新生および機能回復効果

2-chloro-carbocyclic oxetanocin A(COA-Cl)はアデノシン類似体合成化合物でありin vitro にて血管新生作用が報告されており,またラットの脳卒中モデルに対する投与で神経保護,血管新生および機能回復効果が示されている.本研究ではこれらの効果が脊髄損傷モデルにおいても発揮されるか否かを評価した.荷重装置によりT9レベルの脊髄損傷モデルラットを作製し,損傷直後からCOA-Cl を5日間腹腔内投与したCOA-Cl 群と,同量の生理食塩水を投与したvehicle 群に分けた.脊髄損傷14日後に運動機能をBasso-Beattie-Bresnahan Locomotor Rating Scale スコア(BBB スコア)と傾斜台試験にて,血管新生をラミニンの免疫染色により後索の血管数と血管面積を測定することで評価した.運動機能はBBB スコアと傾斜台試験ともにCOA-Cl 群でvehicle 群に比べて有意に改善した.血管新生はCOA-Cl 群で血管数および血管面積ともに有意に増加した.これらの結果から,COA-Cl の脊髄損傷後急性期における投与は運動機能改善および血管新生をもたらし,脊髄損傷急性期の新規治療薬としての可能性が示された.
著者名
坂本 一晴, 他
46
65-72
DOI
10.11482/KMJ-J202046065
掲載日
2020.12.2

b_download