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腹腔鏡下開窓術を施行した巨大肝嚢胞の2例と病理学的検討

当科にて腹腔鏡下開窓術を施行した巨大肝嚢胞の2例について病理学的検討を加えて報告する. 症例1は80歳代女性で右上腹部の違和感があり画像検査にて約20cm 大の巨大肝嚢胞と診断され腹腔鏡下開窓術を施行した.嚢胞壁の病理所見はBile duct cyst の診断であった. 症例2は60歳代女性で10年前から緩徐に増大する最大径13.7cm の肝嚢胞に対し腹腔鏡下開窓術を施行した.病理診断で線毛性前腸性肝嚢胞という稀な病態であった. 肝嚢胞は基本的に良性疾患であるが,有症状の場合は治療適応となる.巨大肝嚢胞の治療は経皮的硬化療法あるいは開窓術や肝部分切除などが行われる.今回我々は2例ともに腹腔鏡下開窓術を行ったが,低侵襲で整容性にも優れ,十分な症状改善が得られたことから有益な治療手段と考える.なお,症例2のような線毛性前腸性肝嚢胞の場合,扁平上皮癌合併症例の報告があり,比較的若年発症で悪性度も高い傾向のため慎重な治療選択が望まれる.
著者名
中村 有希, 他
47
7-14
DOI
10.11482/KMJ-J202147007
掲載日
2021.2.1

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