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Tumor mutational burden 高値を根拠にnivolumab 導入もhyper progressive disease に至ったマイクロサテライト安定大腸癌の1例

がん遺伝子パネル検査は,次世代シークエンサーにより多数のがん関連遺伝子を網羅的に検索し,検出された遺伝子変異に対する治療による恩恵を受ける可能性のある患者を特定するためのコンパニオン診断である.今回我々はFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルにてtumor mutational burden 高値(TMB-high)が判明し,nivolumab 導入に至ったマイクロサテライト安定大腸癌の一例を経験したので報告する. 症例は50代男性.20XX年10月に倦怠感,心窩部痛を主訴に来院し,S状結腸癌 cT3cN3cH3cM1b(多発肺,肝),cStage Ⅳ B,RAS-BRAF 遺伝子変異陰性と診断された.標準治療及び臨床試験参加を含め,一次治療から五次治療を行い,六次治療導入時にmicrosatellite instability(MSI)検査及びがん遺伝子パネル検査を行ったところ,MSI は陰性であったがTMB-high と判定されたため,nivolumab の臨床治験に参加した.しかし,nivolumab 単剤投与1コース施行後に急速な肝転移の増大と肝不全を認め,nivolumab 開始から約2か月後に永眠された.後方視解析により,本患者はnivolumab によりhyper progressive disease(HPD)が誘導されたと考えられた.本症例は,がん遺伝子パネル検査施行時期がやや遅れたことは否めないが,結果的には,この検査施行時期がやや遅れたことが,余命延長に寄与している.このように,新規薬剤への適応参加が必ずしも期待される結果に至らないことを理解して,がん遺伝子パネル検査を行う必要がある.
著者名
堅田 洋佑, 他
47
61-67
DOI
10.11482/KMJ-J202147061
掲載日
2021.4.22

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