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亜全胃温存膵頭十二指腸切除後の胃空腸吻合部に生じた吻合部潰瘍穿孔の2例

当院で経験した亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(sub-total stomach-preserving pancreatoduodenectomy, 以下SSPPD)後の胃空腸吻合部に生じた吻合部潰瘍穿孔の2治療例を報告する.症例1は十二指腸乳頭部癌に対しSSPPD を施行された51歳女性.下腹部痛を主訴に救急外来を受診,腹部CT にてfree air を指摘された.穿孔性腹膜炎と診断し,緊急開腹手術を施行した.症例2は膵頭体部癌に対しSSPPD を施行された後,肝転移に対し化学療法中であった69歳男性.左側腹部痛を主訴に救急搬送され腹部CTでfree airを認めるも保存的加療にて軽快した. 2例ともSSPPD 後の吻合部潰瘍穿孔であったため術後の胃酸分泌能が術前と同等に維持されていた可能性がある.症例1はプロトンポンプ阻害薬を内服中にも関わらず発症した.症例2は腰痛に対する非ステロイド消炎鎮痛剤を常用していたことも発症の一助と推察される.SSPPD 術後の合併症として吻合部潰瘍の可能性を念頭におき予防に努める必要がある.症例に応じては保存的加療でも改善が見込める場合がある.
著者名
中村 有希, 他
47
41-48
DOI
10.11482/KMJ-J202147041
掲載日
2021.4.22

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