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無症候性の可逆性脳梁膨大部病変を呈した肺炎の1例

熱性疾患罹患中に,異常言動・行動,意識障害,痙攣などの神経症状を呈し,可逆性脳梁膨大部病変を認める病態は,可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症(clinically mild encephalitis / encephalopathy with a reversible splenial lesion;MERS)として知られている.我々は,肺炎罹患中に,神経症候を認めない可逆性脳梁膨大部病変を呈した症例を経験したので報告する.患者は37歳,男性.肺炎発症前に,交通事故による脳震盪のエピソードがあった.その後,発熱と湿性咳嗽を生じた.脳震盪のフォローアップ目的で頭部MRI を施行し,脳梁膨大部病変を認めた.神経学的所見は異常を認めなかった.胸部Ⅹ線および胸部CT では,左肺下葉に肺炎像を認めた.肺炎に対して,抗菌薬投与を行い,改善を認めた.第35病日の頭部MRI では脳梁膨大部病変が消失しており,可逆性の脳梁膨大部病変と診断した.神経症候を認めない熱性疾患例の中に,本症例のような可逆性脳梁膨大部病変を呈する例が潜んでいる可能性があると考える.
著者名
山田 治来, 他
47
113-118
DOI
10.11482/KMJ-J202147113
掲載日
2021.9.6

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