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201Tl SPECT による頭蓋内腫瘤性病変の鑑別診断

タリウム-201単光子放射断層撮影法(201Tl SPECT)は頭蓋内腫瘤の評価目的で,CT やMRI,18F-FDG PET/CT とともに現在も用いられるが,その鑑別診断における有用性の報告は限られている.今回我々は,2014年4月1日から2019年3月31日の間に,自施設で頭蓋内腫瘤の鑑別診断を目的として201Tl SPECT が施行され,視覚的に有意な集積を認め,かつ臨床的に最終診断に至った39例(男性25例,女性14例,平均64歳)を対象として後方視的に解析し,その有用性を再評価した. 病理検査,臨床経過(良性の場合は1年以上)または治療的診断によって,39例のうち26例は悪性腫瘍,13例は良性病変と最終診断されていた.201Tl SPECT 画像からは,早期相における腫瘍(Tumor)と正常脳(Normal)との集積比(早期T/N 比),および後期T/N 比と早期T/N 比の比であるRetention Index(R.I.)を算出し,腫瘤の良悪性や組織型によって比較した. 早期T/N 比は,髄膜腫で11.91 ± 9.45と非常に高く,悪性病変では5.77 ± 4.60と中程度で,髄膜腫以外の良性病変では2.44 ± 0.91と低い傾向を認めた.R.I. は,悪性病変では1.03 ± 0.54と高く,髄膜腫では0.63 ± 0.31と低い傾向を認めたが,髄膜腫以外の良性病変では0.93 ± 0.25と比較的高値を示した.R.I. のカットオフ値を0.7以上とした場合の悪性腫瘍の感度は69.2%,特異度は38.5%,正診率は59.0%であった. 早期T/N 比やR.I. は腫瘤の良悪性や組織型によって異なる傾向が見られており,これらを組み合わせることで診断の一助になり得た.ただし,早期T/N 比やR.I. は病変のサイズや内部の性状にも影響を及ぼされるため,鑑別に際してはこれらの点を考慮しながら判断する必要があると考えられた.
著者名
竹内 省吾, 他
47
95-101
DOI
10.11482/KMJ-J202147095
掲載日
2021.9.6

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