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Online edition:ISSN 2758-089X

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血管炎性ニューロパチーにおける時間的分散(temporal dispersion): 電子顕微鏡的微細構造解析

症例は35歳男性.32歳のときに右腓腹神経・足底神経支配領域の異常感覚で発症し,その後,左腓腹神経・足底神経領域,両側尺骨神経領域に感覚障害が拡大した.神経伝導検査では,左脛骨神経複合筋活電位において,時間的分散の所見が認められた.腓腹神経生検では,神経上膜にフィブリノイド壊死を伴う壊死性血管炎を認めた.エポン包埋トルイジン青染色では、有髄神経線維の脱落が著明であり,髄鞘の薄い再生軸索が認められた.電子顕微鏡による観察では,脱髄は認められず,軸索の再生が認められたが,髄鞘再生に乏しいthin myelin が特徴的であった.神経伝導検査で,伝導ブロックや時間的分散といった脱髄を疑う所見を呈する血管炎性ニューロパチーについて24例の報告があるが,これまで電子顕微鏡による観察はされていない.血管炎性ニューロパチーによって惹起される時間的分散の出現機序について,微細構造所見を基に考察する.
著者名
白河 俊一, 他
48
79-86
DOI
10.11482/KMJ-J202248079
掲載日
2022.12.19

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