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Online edition:ISSN 2758-089X

無動性高Ca 血症を呈した重症多発外傷の一例

高Ca 血症の原因の90%以上は,原発性副甲状腺機能亢進症と腫瘍随伴性高Ca 血症が占め,無動性高Ca 血症(immobilization hypercalcemia: IH)は上記の除外によって診断される.今回,我々は重症多発外傷の治療中にIH を呈した症例を経験したため報告する.症例は22歳男性で,高速自動車道を普通自動車走行中の交通事故で受傷し,ドクターヘリで当院へ搬送された.精査により,循環血液量減少性ショック,多発小腸断裂,盲腸断裂,両側血気胸,両側肺挫傷,両側多発肋骨骨折,右肘関節脱臼骨折,第4腰椎圧迫骨折と診断された.救急外来でDamage control surgery を行い,第6病日に閉腹した.急性腎障害のため,第2病日に持続的血液透析(continuous hemodialysis: CHD)を開始した.入院後,血清Ca 値は経時的に上昇し,精査の結果IH と診断した.高Ca 血症は,CHD,カルシトニン投与で改善しなかったが,ビスホスホネート製剤の投与で改善した.若年者の高Ca 血症では,IH を考慮すべきである.また,治療においては,多発外傷後であってもビスホスホネート製剤の投与を考慮するべきである.
著者名
稲吉 祐樹, 他
49
37-42
DOI
10.11482/KMJ-J202349037
掲載日
2023.10.10

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