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Online edition:ISSN 2758-089X

術前消化管悪性腫瘍患者に対する栄養学的介入効果の期待できるCRP 値の検討

消化管悪性腫瘍に対する術前の栄養学的介入効果を認めるCRP 値の設定とその妥当性を検証する. 消化管悪性腫瘍患者115名を対象とした.介入後のAlb ≧ 3.0 g/dLまたはChE 値(男性 ≧ 240 U/L,女性 ≧ 200 U/L)をOutcome としたROC 曲線によりCRP 値のcut-off 値を設定し,低CRP 群(A群)と高CRP 群(B群)に分けて栄養学的指標の推移を検討した. 介入前CRP のcut-off 値は,0.82 mg/dL であった.A群(低CRP 群)では介入後,有意にAlb 値,ChE 値が上昇したが,B群(高CRP 群)ではChE 値の上昇を認めたのみであった.A群では栄養学的介入後にPNI が有意に上昇し,CONUT スコアの改善が認められた. 栄養学的介入による栄養状態の改善の見込めるCRP 値は0.82 mg/dL 以下である.今後,術前高CRP 患者に対する集学的な栄養療法の検討が必要である.
著者名
岡本 和之, 他
51
19-26
DOI
10.11482/KMJ-J202551019
掲載日
2025.10.9

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