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成人臍ヘルニア手術例の臨床的意義 ―特に臍ヘルニア嵌頓の緊急手術例について-

 成人臍ヘルニアは本邦では比較的稀な疾患であるが,食生活の欧米化により増加傾向にある.  1997年から2007年までの11年間に計13例の臍ヘルニア手術症例を経験したので報告する.年齢は28~78歳,男性2例,女性11例.12例に肥満,出産後,肝硬変による腹水,腎不全に対する腹膜透析等の腹圧亢進の原因となりえる既往症,合併症があった.嵌頓8例,非嵌頓5例で,術式は縫合閉鎖11例,Kugel patch使用例1例,腸切除・人工肛門造設1例であった.術後合併症は創感染1例,皮膚壊死1例であり,嵌頓腸管が虚血壊死となり,術後敗血症,呼吸不全,皮下膿瘍を併発した高度肥満症例を1例経験した.臍ヘルニア嵌頓例は,非嵌頓例と比較して,基礎疾患を有するものが多く,術後合併症併発率も高かった.ただし,ヘルニア嵌頓が整復できず緊急手術となった5例中,20時間以内に手術施行した4例は腸切除することなく,術後合併症もなかった.臍ヘルニアは,可能な限り早期に嵌頓を解除することが,術後合併症を回避する上でも重要と思われた. (平成20年4月18日受理)
著者名
池田 正治,他
34
2
145-151
DOI
10.11482/2008/KMJ34(2)145-151.2008.jpn.pdf

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