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Food-dependent exercise-induced anaphylaxis (FDEIA)が疑われたNSAIDs不耐症の1例

 NSAIDs不耐症はアスピリンを含むNSAIDsやCOX阻害作用を有する類似の物質に対する過敏症として知られている.臨床症状としては喘息発作,結膜刺激症状や全身の潮紅などI型アレルギーに類似するものが多い.皮膚症状は血管浮腫を伴う,もしくは伴わない蕁麻疹としてみられ,喘息が合併することは少ない.重篤な例では生命を脅かすアナフィラキシーショック症状も呈する.NSAIDs不耐症の病因はなお不明であるが,しばしばNSAIDsの容量および個体の感受性に依存性であることから非アレルギー性,IgE非依存性の機序により直接ひきおこされると考えられている.食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(FDEIA)は運動により誘発される食物アレルギーの特殊な病型である.多くの食物のうち日本では小麦が最も頻度の高いアレルゲンとして報告されている.私どもは食物摂取後に蕁麻疹,呼吸苦が出現し,当初,FDEIAが疑われた1患者を報告する.原因と推定される食物の摂取を伴う誘発試験をおこなった結果,診断はNSAIDs不耐症のIII型であることが確定した.本症例は原因不明の蕁麻疹,血管浮腫,呼吸苦を呈する症例ではNSAIDs不耐症を念頭におき,正確な診断がなされるべきであるということの例証となっている. (平成20年4月7日受理)
著者名
松尾明子,藤本亘
34
2
139-144
DOI
10.11482/2008/KMJ34(2)139-144.2008.jpn.pdf

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