h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

巨大な aneurysmal fibrous histiocytome の1例

 aneurismal fibrous histiocytoma(AFH)は、大きな血液に満ちた空隙を有しその周囲に内皮細胞を欠く皮膚線維腫の特殊型である.今回我々は4ヵ月で急速に増大し,右大腿の伸側に無症候性の皮膚腫瘍を呈した32歳の男性の症例を報告する.臨床像は暗紅色の球状の腫瘍で表面平滑,わずかに角化を認める8×8cm大のものであった.カラードップラーエコーでは大きなhypoechoicな嚢腫に血流を認めた.病理組織学的所見では血液に満ちた内皮細胞を欠く大きな嚢腫と一部に泡沫細胞を認める紡錘形の組織球の増生と多くの拡張した血管の増生を認めた.免疫組織学所見では腫瘍細胞はCD34が陰性,第XⅢa因子陽性,vimentin陽性であった.AFHの組織学的特徴と他の悪性腫瘍との鑑別診断について考察した.(平成19年4月10日)
著者名
笹岡俊輔,他
33
4
307-311
DOI
10.11482/2007/KMJ33(4)307-311,2007.pdf

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