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Online edition:ISSN 2758-089X

老人病院におけるPULSES評価と長谷川スケール及びADL

私はさきにリハ医療における評価法としてのMoskowitzのPULSES法の得点と独自に作成した歩行評価点との比較検討を統計学的に行い, PULSESが歩行の実用性の評価に適用できることを発表した.今回はそのPULSESの得点と長谷川スケール及びADL(上肢を中心として)について検討した.対象と方法については次の通りである.昭和58年6月末,リハ治療を行っていた症例121名のうち無作為に抽出した40名を対象とした.長谷川スケールは22点以上(境界,正常), 21.5点以下(準痴呆,痴呆)の2グループに分けた. PULSES'について:そのアルファベットはP:全身状態,U:上肢,L: 下肢,S:知覚,E:排尿,排便,S'精神,感情を示し,これら6項目を異常無しから重度異常の四段階に分けた. ADLは厚生省特定疾患調査研究班のテストの手引きを用いた. PULSES'のE,テストのトイレ動作は症例のランク付けが困難で除外した.解析の対象とした項目は,分割表での2項目間の相関分析,χ2及びYatesの修正χ2値検定で,対象とした項目はPULSES'(5項目)と長谷川スケール(2項目),ADL(5大17小項目)で,データー数は40であった.結果について,各項目間の相関については次の通りである. PULSES'(Eを除く)と長谷川スケールではPULSS'の5項目に関連を認めた. PULSES'とADLでは,すべてにUの関与を考えたが,14小項目にS', sに7,Pに5,Lに1小項目の関連が認められ,χ2及びYatesの修正χ2値検定10%有意水準ではS'に5,Pに4,Sに2,Lに1各小項目の関連を認め,S’の持つ意義が大であることが認められた.以上からMoskowitzのPULSES法がリハ効果の評価にさらにADL評価に十分適用できることが示された.
著者名
津田 鴻太郎
11
4
478-482
DOI
10.11482/KMJ-J11(4)478

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