h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

耳下腺気腫の2症例

耳下腺腫脹は臨床でしばしば遭遇する症状であり,原因となる病態は様々あるが,稀な疾患として耳下腺気腫がある.耳下腺気腫とは口腔内圧上昇によりステノン管から逆行性に空気が迷入し耳下腺腫大をきたす病態である.今回我々は耳下腺気腫の2症例を経験したので報告する. 1症例目は6才男児で左耳下部の疼痛,腫脹を反復したため小児科から紹介.左耳下腺の圧迫でステノン管開口部から泡沫状唾液の流出があり,CT 検査でステノン管内に空気像を認め,左耳下腺気腫と診断された.経過中に頬を膨らませる習癖が確認され,習癖の禁止と抗菌薬処方で保存的に改善した.2症例目は43歳女性で左耳下部の腫脹と疼痛を主訴に当科を紹介受診.画像検査にて迷入した空気によるステノン管拡張と耳下腺内の空気像を認めたため,左耳下腺気腫と診断された.明らかな誘因は確認できず,抗菌薬処方で保存的に改善した. 耳下腺腫脹には様々な原因が挙げられ,日常診療でも散見される症状である.急性発症で感染が疑われる場合には,抗菌薬投与で経過観察され軽快している症例も多数存在すると思われる.上述の経過観察とされる症例中にも耳下腺気腫である症例がいくつか含まれている可能性が示唆された.doi:10.11482/KMJ-J42(1)25 (平成28年1月4日受理)
著者名
柴田 大,他
42
1
25-31
DOI
10.11482/KMJ-J42(1)25
掲載日
2016.2.29

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