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甲状腺乳頭癌術後に両側乳糜胸を生じた1例

甲状腺癌術後の乳糜漏は比較的稀な合併症であるが,乳糜胸となる症例はさらに稀である.今回,甲状腺癌術後に両側乳糜胸となり保存的治療で改善した症例を経験したので報告する.症例は73歳女性.甲状腺乳頭癌Stage Ⅳ B の診断となり,甲状腺全摘,頸部リンパ節郭清が施行された.一過性の術後副甲状腺機能低下以外は問題なく経過し,翌日から通常食を開始した.術後3日目に頚部ドレーン排液の減少を確認し抜去した.術後4日目に呼吸苦が出現した.造影CT で両側に胸水貯留を認め,右胸腔ドレナージを施行した.排液は黄白色であり,乳糜胸を疑い絶食管理を開始した.術後9日目に食事再開したがその後も増悪所見なく術後12日目に胸腔ドレーン抜去し,術後16日目に退院となった.甲状腺癌の外側頸部リンパ節郭清術後に呼吸困難を来した場合は乳糜胸も鑑別として考えるべきである.
著者名
川野 汐織, 他
47
119-124
DOI
10.11482/KMJ-J202147119
掲載日
2021.9.17

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