2025.03.25
A case of spermatocytic tumor in the testis
2025.03.05
A case of postoperative fungal endophthalmitis identified as Purpureocillium lilacinum
白内障手術後に生じたPurpureocillium lilacinum による真菌性眼内炎の1例を報告する.症例は73歳の男性.近医にて左眼白内障手術を施行され,術後8日目より左眼痛を自覚した.近医にて,術後の感染性眼内炎と診断された.抗菌点眼薬での治療を開始されたが,眼内炎が増悪し,白内障手術の創部に角膜浸潤を認めたため,当院に紹介受診となった.同日に,左眼の前房洗浄を行った.前房内から採取した検体の培養検査にてPurpureocillium lilacinum が検出された.真菌性眼内炎と診断して,抗真菌薬であるボリコナゾールの点眼および点滴の治療を開始したが改善を認めなかった.ポサコナゾールの内服に切り替えて眼所見の改善を認めたため,内服を中止したところ,2ヶ月後に感染の再発を認めた.ポサコナゾール内服を再開したが効果不十分であったため,ボリコナゾールの角膜実質内注射を施行し,改善を得られた.
2025.03.05
A case of spontaneously regressed thymoma
症例は36歳男性.前胸部痛を主訴に近医を受診し,胸部異常陰影を指摘され当院に紹介となった.当院初診時に胸痛は軽快していたが,胸部CT で前縦隔に70×45mm の腫瘍と右胸水貯留・心嚢液貯留を認め,胸腺腫の疑いで当科に紹介となった.当院紹介後1ヶ月の術前CT では腫瘍径は60×35mm,約10%の縮小を認め,右胸水や心嚢液は消失していた.診断と治療も兼ねて胸骨正中切開で拡大胸腺全摘術を施行した.病理検査の結果,病変は明瞭な被膜を有し,割面では分葉状構造を呈する充実性病変と境界明瞭な壊死病変や嚢胞性病変を認め,組織学的にはTypeB1+ B2の胸腺腫で正岡分類Ⅱb期と診断された.今回我々は胸痛や胸水貯留などの胸膜炎症状を伴って発見され,経過観察中に自然縮小を認めた胸腺腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.