h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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2006.02.06

Sensitization against various antigens in children under 18 years old *

 2002年,2003年に川崎医科大学耳鼻咽喉科外来において実施した特異的血清IgE抗体検査(CAP-radioallergosorbent test,以下CAP法)について検討した結果,また,今回の症例のうち18歳以下であった74名についてさらに検討した結果よりさまざまな抗原に対して低年齢の頃から感作が起こりうること,特に動物上皮やスギ花粉に対する感作の低年齢化が明らかになった.小児のアレルギー性鼻炎を診断,治療する際は感作の低年齢化を考慮することが重要であり,保護者に対する生活指導の重要性が示唆された.
(平成18年1月18日受理)

2006.02.05

Molecular target therapy in patients with chronic myelogeneous leukemia *

 慢性骨髄性白血病chronic myelogenous leukemia(CML)の治療は,分子標的治療薬であるメシル酸イマチニブ(imatinib mesilate;imatinib)が臨床導入されたことにより劇的に変化した.Imatinibは,従来のインターフェロン療法に比べて遥かに優れた治療効果をもたらし,現在ではインターフェロンに代ってCMLの第一選択薬の座を確立した.しかし,長期治療成績やimatinib耐性の問題などは,依然として今後の検討課題とされている.
 本稿ではCMLの分子標的療法について,これまでに明らかとなっている治療効果と副作用を,当科での治療成績を交えて述べ,今後の問題点も含めて概説する.
(平成17年12月21日受理)

2006.01.07

Simultaneous determinations of hemoglobin A1c and fasting blood sugar in a group medical examination *

 岡山県H町の856人の住民に糖尿病検診を行い,空腹時血糖(FBS)とヘモグロビンA1c(HbA1c)を測定した.
 日本糖尿病学会の診断基準のFBSにより,110mg/dl未満を正常型,110mg/dl以上で126mg/dl未満が境界型,126mg/dl以上を糖尿病型として分類した.HbA1cが5.8%以上の広い範囲に適用すれば,それらの人の50%が境界型,20%の人は糖尿病型ということになり,6.5%以上になればほぼ全例が境界型で,80%の人が糖尿病型,6.9%以上であればほぼ全例が糖尿病型である.ブドウ糖負荷試験が行われないので診断に妥当性を欠くことが有り得るし,正常型と糖尿病型には境界型が隠れている可能性を否定できない.
 40才以上になると年齢とともにFBSもHbA1cも生理的に有意に増加したが,これは年齢と糖代謝の関係を端的に示して極めて興味深い.

2006.01.06

Colonoscopic features of patients with active pulmonary tuberculosis *

 活動性肺結核患者における下部消化管病変について検討した.1999年4月~2004年3月に入院した排菌陽性の活動性肺結核患者8例(36~73歳,平均;58歳,全例男性)に対し回腸末端部の観察を含めた大腸内視鏡検査を施行した.呼吸器症状は5例にみられたが,3例には自覚症状が認められなかった.消化器症状は認められなかった.下部消化管病変は,回腸末端部に小潰瘍を認めた1例と盲腸の萎縮瘢痕帯内に小潰瘍を伴った1例の計2例(25%)に認められた.全て抗結核療法のみで治癒した.活動性肺結核患者では消化器症状がなくても活動性腸病変が認められることもある.回盲部の微小潰瘍性病変に遭遇した場合,結核症も念頭において診断を進めていく必要がある.
(平成17年12月8日受理)

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