h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1986.04.05

An Introduction to Medical Education by Means of the Problem-Oriented System (POS) at Kawasaki Medical School

L. L. Weed により提唱されたPOS (problem-oriented system)による卒前医学教育において,チーム医療実践のためのPOS教育の実際を報告する.このPOS教育に対して医学部学生および医療短大学生はチーム医療の実際を体験できたことを高く評価している.今後POS教育をさらに発展させ,医療のシステム化を目標に教育の充実化をはかりたい.

1986.04.04

Developments in Radiolabeling for Diagnostic Imaging

核医学の画像診断では,形態的なimagingに代わって,局所機能のimagingが行われるようになっており,それにはさらに,定量性が要求されてきている.近年の核医学の進歩は,高性能の描出機器と優れた放射性医薬品の開発に負うところが大きい.このような新しい放射性医薬品は,生理学,生化学などの根拠に基づいて,標的組織に対するより高い特異性を持つようデザインされている.目的とする組織に対する特異性の高い集積機構として,エネルギー代謝, receptorへの結合,抗原抗体反応などの生物現象が利用されている.代謝基質, receptor結合物質,抗体の標識を中心に,画像診断のための放射性医薬品の現況と将来について展望を加えた.

1986.04.03

Clinical Significance of Type III Procollagen N-Peptide in Various Liver Diseases

血中III型プロコラーゲンN末端ペプチド(P III P)を各種肝疾患221例について測定した.正常人のP III P 値は10ng/ml以下で,慢性肝炎や肝硬変では有意の増加がみられた.肝癌では19.0±10.89ng/mlと従来の報告より低かったがtranscatheter arterial embolization (TAE)後には1.7倍に増加した.さらに蛍光抗体法による肝癌組織内の P III P の局在を検討し, TAE後に増加することを示した.これらの事実は肝癌が強いコラーゲン増生能を示唆すると考えられた.

1986.04.02

Histopathological Studies on Contact Dermatitis: VIII. Experimental Polytest Reaction

DNCBに対する感作が成立したモルモットの背部皮膚に,DNCBを毎日同一部位に 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1回塗布してpolytest反応を惹起した.肉眼的に通常のアレルギー接触反応と変わらず組織学的にも海綿状態を主体とする変化であったが,著明な錯角化と真皮上層の好塩基球浸潤は特徴的な所見であった.

1986.04.01

Three Dimensional Analysis of Arteriography of the Cephalic Arterial Pattern in Primates Part 1 The Maxillary Artery of the Tupaiidae and the Lemuridae in Prosimii

原猿類ツパイ科,キツネザル科における顎動脈の造影写真を立体的に観察し,系統発生学的な解析を行い,ヒトおよびヒト胎児動脈系と比較検討した. 1)ツパイ科は内頸動脈,アブミ骨動脈が存在する.アブミ骨動脈は硬膜と眼窩の大部分を供給する.顎動脈とアブミ骨動脈との間には太い吻合枝が認められる.口蓋動脈は2本存在し,口蓋の内外側を平行に走行し,その間にはしご状の吻合枝を認める.2)キツネザル科の内頸動脈はアブミ骨動脈の分岐部より先端で消失する.アブミ骨動脈は中硬膜動脈を分枝し眼動脈につながるが,顎動脈との吻合枝は認められない.口蓋動脈はツパイ科と同様の分布を示す.3)ヒトの胎生期に見られるアブミ骨動脈はツパイ科,キツネザル科ともに存在するが,ヒト胎生期40日~44日に見られるアブミ骨動脈―顎動脈間吻合はツパイ科では異なった形で認められ,キツネザル科では認められなかった.

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