h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1982.01.05

The Change of Sodium, Potassium Concentration and Hydration in Normal Guinea Pig Lenses in Dependence on Age

老人性白内障の膜機構解明の一助として,正常モルモット水晶体(50g~900g体重)のNa+, K+量及び,含水量が加齢変化に伴い如何に変動するかについて測定した. Na+, K+の定量はFlame emission photometerで測定した.正常モルモット水晶体のNa+, K+は,如何なる時期においても逆転することはなかった.又,水晶体含水量はNa+と極めて相関した.水晶体含水量については,幼若水晶体ではJuicy lensと呼ばれ,含水量は高値を示したが,約1カ月でNa+, K+含水量は一定値を示した.

1982.01.04

Acid α-naphthyl Acetate Esterase : Re-evaluation of its Specificity and Sensitivity as the Marker Enzyme for T-lymphocyte

リンパ球中に証明されるAcid α-naphthyl acetate esterase (ANAE)のスポット状陽性顆粒の存在はTリンパ球に特異的であるとされているが,E rosette形成細胞内の出現頻度,EAC rosette形成細胞内の出現頻度に関しては一定の統一見解をみない.我々は手技の違い,陽性の確認法の違いによる誤差を考慮に入れ,ANAEのTリンパ球の標識酵素としての特異性,感度の再検討を試みた.人末梢血中のANAE陽性細胞の出現率は53.2±4.3%, E rosette形成細胞出現率52.7±3.3%と近似値を示したが,E rosette形成細胞中ANAE陽性のものは72.9±4.8%であり,またEA, EAC rosette形成細胞群中にもそれぞれ29.7±2.7%, 38.7±2.6% ANAE陽性のものがみられた.この結果はYangらの結果に類似し,確かに多くのE rosette形成細胞でANAEは陽性となるが,EA, EAC rosette形成細胞でもANAE陽性のものがかなり存在し,その特異性,感度は低いものと考えられた.さらに, Tリンパ球を欠くと考えられているヌードマウスBALB/C nu/nuのリンパ球にANAE陽性細胞をみたことも,この結果を支持する所見と思われた.

1982.01.03

Phenomenology of Phobias, Obsessions and Compalsions

恐怖・強迫症状を主訴として入院した患者44例について,男女差,発症誘因,発症年齢,結婚状態,症状類型,治療結果について調べた. 1) 恐怖・強迫症状を主症状とする入院患者は男女比2:1で男性が多かった.強迫神経症では男女差は認められなかった. 2) 発症誘因が55%の患者に認められた対人関係に関するものが一番多かった. 3) 家族負因は約20%に認められた. 4) 発症年齢は10代後半をピークに初老期まで散発的に見られた.女性では10代後半の発症と30代以後の発症に著明な差は認められなかった. 5) 強迫神経症では,男性に単身者が多い傾向がみられた.女性では結婚状態に差は認められなかった. 6) 強迫症状の中では不潔恐怖,疑惑癖,洗浄強迫,確認強迫が多かった. 7) 治療的予後は,男女差,疾患別,治療法による著明な差は認められなかった.

1982.01.02

Short Term Culture of Human Normal, Benign and Malignant Mammary Epithelial Cells and Molecular Changes of Their Cell Membranes by Concanavalin A-mediated Hemadsorption

1.培養法の改良は,コラゲナーゼ消化法の最適条件とdifferential sedimentationの考案で間質成分と上皮成分(organoids)を容易に分離することができ,ヒト乳腺上皮細胞培養が可能となった. 2.コンカナバリンA (Con A)凝集反応では Con Aで処理した指示赤血球とsparse-cultureをした細胞とを反応させる方法が最良である. 3. Con A凝集反応は良性乳腺疾患上皮細胞は正常上皮細胞と同じで反応の程度が弱く,一方,乳癌は強く,著しい差をしめした.

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