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Online edition:ISSN 2758-089X

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1989.03.02

Induction of Cytodifferentiation of Human Medullary Carcinoma Cell Lines by Various Compounds and Ultraviolet Radiation *

分化度の異なる2種類のヒト甲状腺髄様癌細胞株(TT細胞株およびHMCa細胞株)を用い, cholera toxin, TPA, dexamethasone 投与および254 nm の紫外線照射を行い,その形態,増殖能,ホルモン分泌能を指標として分化誘導を試みた.その結果,低分化型髄様癌細胞株(HMCa細胞株)に対する紫外線照射のみが分化誘導効果を示した.(平成元年2月25日採用)

1989.03.01

Effects of Vasodilator Therapy on Cardiac Hemodynamics and Regional Ischemia in Experimental Aortic Regurgitation with Coronary Stenosis *

冠狭窄を作成した実験的大動脈弁閉鎖不全(AR)犬で,血管拡張剤(Hydralazine,H)の心血行動態と局所心筋に及ぼす効果について検討した.雑種成犬28頭を対象に,バスケットカテーテルを用いてARを作成し,心拍数は,洞結節を破壊し右房ペーシング(毎分140拍)にて一定とした. H 0.4 mg/kg を経静脈的に投与し,非冠狭窄群と冠狭窄群(20~40%の冠血流量減少)において,心血行動態指標,局所心筋壁運動と乳酸代謝を測定した.H投与により,冠狭窄群では,平均大動脈圧と冠血流量は有意に減少し,冠狭窄領域における心筋短縮率と乳酸摂取率は有意に低下した.非冠狭窄群では,全および前方一回心拍出量は有意に増加し,逆流量は有意に減少したが,冠狭窄群では全一回心拍出量(TSV)に一定の変動はみられなかった. TSVが低下する例では,H投与前の平均大動脈圧は有意に低値で,H投与後の冠血流量減少は有意に大であった.さらに, TSVの変化は冠血流量のそれと有意に相関した. 以上の結果から,冠狭窄を有するARでは,血管拡張剤の心血行動態に及ぼす効果は,冠血流量減少に伴う局所心筋虚血の有無と程度に左右されるものと考えられた.(平成元年9月22日採用)

1989.02.22

Calcification of the Aortic Arch, Costal Cartilage and Tracheo-Bronchial Cartilage *

60歳以上の男女295名を対象に,胸部X線上,大動脈弓,肋軟骨,気管・気管支軟骨の石灰化の頻度を検討した。その結果,①大動脈弓 ②肋軟骨 ③気管・気管支軟骨の石灰化は各々,男性では,60歳代 ①24.4% ②31.1% ③2.2%, 70歳代 ①42.5% ②42.5% ③3.4%, 80歳以上 ①63.6% ②66.7% ③3.0%で,女性では,60歳代 ①39.0% ②78.0% ③12.2%, 70歳代 ①43.3% ②80.0% ③20.0%, 80歳以上 ①64.3% ②92.9% ③42.9%であった。以上より,大動脈弓の石灰化は男女ほほ同様であるが,肋軟骨,気管・気管支軟骨の石灰化は,女性が男性に比し早期にまた高率に認められることが示唆された。 (平成元年4月4日採用)

1989.02.21

A Case of Dermatomyositis Complicated by Recurrent Mediastinal Emphysema *

4年前から間質性肺炎を合併した皮膚筋炎と診断され,プレドニンにて治療を続けていた54歳の女性が,3年前に縦隔気腫を併発して入院しており,今回再び縦隔気腫を合併した.縦隔気腫の原因は皮膚筋炎に合併した間質性肺炎のブラの破裂と考えられ,その誘因は間質性肺炎による強い咳嗽と考えられた.(平成元年3月6日採用)

1989.02.20

A Case of Mycoplasmal Pneumonia with a Transient Aggravation and Roentgenograph Progression during Chemotherapy *

29歳の女性.発熱と咳嗽を主訴に来院し,マイコプラズマ肺炎の診断のもとに入院となった.ドキシサイクリンの点滴静注にて治療を開始したが,解熱傾向なく胸部X線像も悪化した.エリスロマイシンに変更した頃より解熱し,陰影も漸次改善していった.治療中の一時的悪化の原因については明らかにできなかったが,マイコプラズマ肺炎のまれにみる臨床像のーつと考えられた.(平成元年2月1日採用)

1989.02.19

Five Cases of Subungual Glomus Tumor *

爪床下グロームス腫瘍を5例経験したので,その臨床,組織所見,手術方法や予後について検討した。(平成元年1月10日採用)

1989.02.18

Random Guessing in the Multiple-Choice Question Tests: Status in Quo and Its Exclusion *

多肢選択問題(MCQ)には当て推量による解答があることが問題になっている.しかしこれまで具体的にどの問題が当て推量で答えたのかを判定した報告は見当たらない. MCQの出題時に,なぜその選択肢を選んだかという理由を書かせてみたところ,正答者の中にも高率に理由の間違いや白紙答案がみられた.また誤答した者の中にも理由は正しく書いている者も相当みられた.このように, MCQは知識の程度を正しく評価し得るような問題形式ではないことが明らかになった.筆記や口頭試問の方がより正しく評価し得るものと考えられる.(平成元年4月18日採用)

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