h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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1988.04.04

The Psychology and Care of CAPD Patients ―In the Hope of Returning to Work and Home *

CAPDは自己透析を行いながら職場復帰,家庭復帰するという新しい医療形態である.したがって,このための新しい医療システムと同時に精神的援助(教育)が必要である.今回は, CAPD患者に対する医療側の援助(教育)について,精神・心理面から検討した.特に,患者の自立と家庭復帰の重要性について強調した.(昭和63年5月31日採用)

1988.04.03

Microvascular Architecture of the Rat Brain: Scanning Electron Microscopic Study of Vascular Corrosion Casts *

脳の微小血管構築を立体的に追究する第一歩として,ラット脳の微小血管にメタクリレート樹脂を注入して血管鋳型標本を作製し,これを走査電顕で観察(血管鋳型走査電顕法)した.この方法により,従来の形態学的研究では困難であった脳の微小血管構築の全貌を立体的に検討することができた.さらに,血管鋳型標本の表面には内皮細胞核による特徴的な陥凹が見られ,血管内腔の構造もレプリカ面として観察された.解剖学的部位の微小血管構築を見ると,組織特有の血管密度や走行を有する立体的な微小血管構築が具体的な所見として観察され,各々の組織の細胞構築や機能に対応すると考えられる微小血管構築が明瞭となった.(昭和63年7月29日採用)

1988.04.02

Morphologic and Morphometric Studies of the Development of Peripheral Nerves from Mice *

マウス脊髄後根神経の発達過程を,組織学的観察と形態計量解析により検討した.0,20, 50, 90日齡の雄DSマウスを使用し,組織学的には,電子顕微鏡にて観察した.形態計量解析では,有髄神経線維について,1神経束における総有髄神経数,軸索の面積,周長,長径,短径と髄鞘層板の数を測定し統計学的に検討した.組織学的観察の結果,0日齡ですでに髄鞘形成は開始しており,50日齡で無髄神経,有髄神経両方とも成熟した形態を呈していた.形態計量解析の結果,総有髄神経線維数はO日から20日の間で急増した.有髄軸索の面積は,50日まで有意に増加を示した.髄鞘層板の数は,90日まで有意に増加を示した.軸索の面積と髄鞘層板の数の相関関係は, 20, 50日齡では単調増加,90日齡では成長曲線に類似したS字型の傾向を示した.以上より,90日齡では末梢神経の発育はほほ成熟段階に達していることが示唆された.また,軸索の面積と髄鞘層板の数の相関関係は末梢神経の発達過程を適切に評価する指標と思われる.(昭和63年7月4日採用)

1988.04.01

Hemagglutinability of Candida *

グルタールアルデヒドで固定したヒト赤血球を用い, Candidaの赤血球凝集活性を調べた.実験に用いた18種または株のCandidaはGPY-broth培地ではすべて酵母型となった.2種のCandidaの酵母型細胞は赤血球凝集活性を示したが,他の16種または株のCandidaの酵母型細胞は赤血球凝集活性を示さなかった. 1/10 MEM-broth培地では6株のCandida albicansと4種のCandidaが仮性菌糸を形成した.これらの仮性菌糸は強い赤血球凝集活性を示した.2株のC. albicansと6種のCandidaは1/10 MEM-broth培地でも仮性菌糸を形成せず酵母型細胞のままであった.これらの酵母型細胞は赤血球凝集活性を示さなかった.病原性の強いC. albicansで仮性菌糸の形成傾向が強かったことから赤血球凝集活性と病原性の関連について考察をおこなった.(昭和63年6月21日採用)

1988.03.22

An Autopsy Case of Infiltrative Carcinoma of the Renal Pelvis Masked by Non-functioning Kidney Secondary to Urinary Calculi *

結石性無機能腎に隠された腎盂腫瘍の1剖検例54歳,男性,初診:昭和58年5月6日,2ヵ月前より左側腹部痛,食欲不振,発熱あり青木外科受診,左尿管結石・左無機能腎の診断のもとに尿管切石術施行.摘出結石は燐酸マグネシウムアンモニウム結石.術後,腹水の増大,腸雑音の微弱あり腸軸捻転症の疑いで川崎病院外科転医,肝シンチ,CTで肝膿瘍,左腎術後膿瘍を疑ったが7月3日死亡.剖検にて18×13×8 cm. 1,060 g, TCC,gradeⅢの左腎盂浸潤性腫瘍,肝には5cm大の転移巣数個判明した.悪性腫瘍好発年齢の尿路結石症例においては,癌合併を考慮し検査をすすめるべきであることを反省した.(昭和63年5月2日採用)

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