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Online edition:ISSN 2758-089X

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1987.04.11

Chromosome Testing Carried Out at Kawasaki Medical School Hospital during 1986

本年度は49例の染色体検査を行った.その結果,異常染色体を示した症例は9例(全体の18.4%)であった.この9例中,5例が先天性染色体異常,残り4例が後天性染色体異常を示す症例であった.4例の染色体異常を示した患者とその予後について考察した.

1987.04.10

A Case of Progressive Systemic Sclerosis Resulted in Marked Improvement of Pulmonary Hypertension with Steroid Therapy ― Complication of Primary Biliary Cirrhosis ―

著明な肺高血圧による右心不全症状を呈した進行性全身性硬化症の1例を報告する.本例は,ステロイドが皮膚病変に対して有効でなかった時期にもかかわらず,肺高血圧には著効を示し,原発性胆汁性肝硬変症の合併を認めるまれな症例と考えられた.

1987.04.09

A Cace of Single Coronary Artery Associated with Small Myocardial Infarction

胸痛と心筋逸脱酵素値の上昇より心筋梗塞を合併したと考えられる, Smith l 型の単冠動脈症の1例を経験した.冠動脈造影では右冠動脈を完全に欠除し,左冠動脈には大きな分岐異常はなく,正常走行を示す左前下行枝と,後壁を右下方へ異常に延長した回旋枝で心臓全体が還流されていた.なおこれらの血管には狭窄病変は認められなかった.梗塞を合併した単一冠動脈症の報告はまれであり,その臨床的意義につき文献的考察を加え報告する.

1987.04.08

Endoscopical Examination of Early Gastric Cancer, Difficult to Differentiate from Borrmann Type 2 Advanced Gastric Cancer

Borrmann II型進行癌と鑑別困難な早期胃癌の5例を経験した.そのうち,3例は男性で,2例は女性であった.年齢は,49歳から57歳までに及び,病変は,胃前庭部に存在した.大きさは2.1×1.8cmから4.1×3.7 cmであった.上部消化管造影では,中心部に陥凹を有し,その周辺部は隆起していた.内視鏡検査では,不整な潰瘍を認め,周辺部は盛り上がっていた.不整な潰瘍より胃癌との診断は容易で,生検にて確認された.しかし,その深達度診断は困難であった.深達度診断には,胃壁の硬化像,大きさ,隆起部の高さ,陥凹部の深さが重要な因子である.自験例では,陥凹部は浅いが隆起部は高く,病変は大きく,そのため病変が一塊となり深達度診断を誤り, Borrmann II 型進行胃癌と誤診された.組織学的検査では,深達度smの早期癌であった.さらに深達度診断に対しての努力が必要である.

1987.04.07

A Case of Intestinal Behcet’s Disease with Ocular Involvement

腸管潰瘍を合併する不全型Behcet病の1症例を報告した.47歳の女性がBehcet病の眼症状を来し,その治療中に回盲部に多発性の潰瘍が発症した.本邦においては,腸管Behcet病はまれで眼病変の治療中に発生することは極めてまれである.

1987.04.06

A Discrimination of Neurotic Depression

神経症性うつ病と躁うつ病抑うつ型(ICD-9)を鑑別するために,ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)をもとに因子分析を行い,以下の結果を得た.① 神経症性うつ病は, Factor l は自殺,入眠障害,熟眠障害,早朝睡眠障害,身体的不安,消化器系の身体症状,一般的な身体症状および心気症状で特徴づけられた. Factor 2は特徴づけられるHDRSの項目はなかった.また, Factor 3 では抑うつ気分,仕事と興味,精神運動抑制および日内変動で特徴づけられた.② 躁うつ病は, Factor l は抑うつ気分,罪業,自殺,仕事と興味,精神運動抑制,一般的な身体症状,病識,離人症および強迫症状で特徴づけられたFactor 2 とFactor 3は特徴づけられるHDRSの項目はなかった.③ 抗うつ薬の効果は両者の間で有意差はなかった.④ 神経症性うつ病の病前性格はメランコリー親和型性格が最も多く,躁うつ病抑うつ型の病前性格は循環性格が最も多かった.

1987.04.05

A Study of Factors Influencing- the Effect of Restorative Treatment in the Aged

老人病院における患者の機能維持訓練続行の阻害因子を調査するため以下の研究を行った.治療続行群と治療中止群各50名計100名について,それらと年齢,主診断,大腿骨頸部骨折,血液病態解析,心電図,長谷川スケール, MoskowitzのPULSESの得点を検討した.解析手法としては,これらの相互関係を2×2分割表で表示し, χ2 (Yatesの修正)による検定法による検定で,有意水準をα=0.10と設定した.結果については次の通りである.有意の関連が認められたものは年齢, C.V. A.とC. A.S.の主診断.血液病態解析のうち貧血,動脈硬化度であった.リハ訓練と大腿骨頸部骨折には継続群に関与が認められなかった.リハ訓練と長谷川スケールでは有意の関連が認められなかった.リハ訓練とMoskowitzのPULSES評価ではPLSESに有意の関連を認めた.

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