h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1985.02.05

Study of the Ophthalmic Artery of Primates ・ I ―Three Dimensional Analysis of Arteriographs of the Ophthalmic Artery of Man―

ヒト解剖体の眼動脈の選択的動脈造影を行い,立体的解析により眼球後間隙での網膜中心動脈・後毛様体動脈の特異な走行を認め,不明な点の多い外眼筋枝と眼動脈各分枝の分岐について詳細に観察した. 1)眼動脈は眼窩内を走行中,視神経を下外方より横断する部位(第2部)を中心に3部に分けられる. 2)網膜中心動脈は視神経に侵入直前で,強いS字状の蛇行と回転を伴う複雑な走行を呈してその走行をほぼ直角方向に変え,視神経内に侵入する. 3)後毛様体動脈は眼球後縁直前で大きい回転を伴う屈曲と蛇行を呈して走り眼球後縁に達し,次いでその方向を約60~90゜に変え上行し,眼球の下方より数条に分枝しながら眼球に分布する. 4)観察した18例中1例に眼球の上方より分枝しながら眼球に分布する型を認めた.本型はニホンザルの後毛様体動脈に多く認められた. 5)後毛様体動脈は,その分岐部位と走行・分枝および眼球への侵入部位に特徴が認められ,外側・内側・副―後毛様体動脈の3動脈に区別される. 6)網膜中心動脈は約61%で眼動脈主幹より分岐するが,残り約39%は後毛様体動脈との共同幹として分岐しその大半は内側―後毛様体動脈との共同幹であった.7)第3部より太い筋枝(眼筋動脈I:内側直筋,下直筋,下斜筋への筋枝を分枝する)を分枝する型(約83%)と,分枝しない型(約17%)の2型が観察された.後者では,前者の太い筋枝に代わるものとして,第1部と第2部の移行部および第2部の前半より涙腺動脈等と共に共同幹で分枝する筋枝(眼筋動脈II : 下直筋,下斜筋への筋枝を分枝する)が認められた.

1985.02.04

Management of Pathology Laboratory Information by Personal Computer

病院が大きくなり,また,その一部門の取り扱う情報が多くなればなるほど,それをうまく整理,保管,活用していくことは困難となる.最近,この分野にコンピューターが導入され,円滑に運用されるようになってきた.このような時勢の中で本学病院病理部にも今年度よりコンピューターが導入されるようになった.今回病院病理部の情報処理をシステム化するにあたって 1)パーソナルコンピューターによる情報処理のシステム化に至った理由,2)実際,どのように情報処理をしていくか,および 3)それに伴って起こる問題点について整理,考察した.

1985.02.03

Histopathological Studies on Contact Dermatitis: I. Experimental Allergic Contact Dermatitis

モルモットにおけるDNCBに対するアレルギー性接触皮膚炎の病理組織像を経時的に観察した.その結果,リンパ球性表皮基底部海綿状態,真皮上層部への単核球,好塩基球の浸潤,表皮肥厚が同皮膚炎の特徴的な所見であった.

1985.02.02

Studies on Spatial Patterns of Regenerating- Axons as a New Factor Describing1 the Process of Nerve-Regener ation

末梢神経の再生過程を電子顕微鏡写真上における再生軸索の空間配置という観点から考察した.再生神経の組織学的研究で,計量的な変量としてとりあげられてきた指標は再生神経の個数と面積(径)であったが,著者はこれらの指標に加えて,神経再生過程をさらに全体的に把握するため縫合部での再生神経の空間分布を考察した.解析手法として空間パターン解析を用いたが,これは視察によるパターン分類を確率モデルを導入して,数量的見地から検証する方法である.ラットの腓骨神経の同所性移植に基づく実験データを空間パターン解析した結果,再生軸索の空間パターンは再生の初期から後期にかけて集塊型→ランダム型→規則型と推移することが示され,神経の再生時には軸索は時間経過と共に,その相互の位置関係が大きく変動することが.明らかにされた.また,この軸索の空間パターンの推移は再生神経の成熟過程(軸索径の成熟)ともよく対応し,神経軸索の空間パターンは神経再生の進行を記述する新しい因子であることが示された.

1985.02.01

Clinical Studies on Postlaryngectomy Speech Rehabilitation in Kawasaki Medical School Hospital ―Special Reference to Esophageal Speech―

1975年6月より1985年2月までに当科で喉頭全摘した38症例の音声獲得状況を,とくに食道発声について種々の面より検討し,以下のような結果を得た.(1)38症例の内訳は喉頭癌34例,下咽頭癌2例,喉頭外傷2例である.(2)食道発声獲得率は63%であった.(3)24例の食道発声者のうち17例が職を持っていた.(4)14例の発声不能者のうち8例に家族の過剰看護がみられた.(5)発声可能な癌症例22例中16例は術後放射線治療を施行していなかった.(6)これらの因子の分析によって,術前から,食道発声が可能か否かが推定できるようである.

1985.01.20

 

 

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