h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1984.04.09

The Subcutaneous Pedicle Flap on the Face

Subcutaneous pedicle flapは島状の皮膚面を有し,皮下組織のみの茎により血液の供給を受ける局所皮弁の一種である.顔面の皮膚は,豊富な血行にめぐまれており,このため他の部位に比べより安全に使用できる.若干の術後の注意深い管理を要するが,他の皮膚欠損の修復法にくらべ多くの利点を有し,一次的に縫編できない小さな皮膚欠損の修復には非常に良い適応であると思われる.私たちは,今日までこの方法を用い,良好な結果を得ており,いくつかの症例とともにこの方法について紹介する.

1984.04.08

Studies on Roentgenographic Characteristics of the Stomach and Duodenum around the Pylorus

消化性潰瘍時における胃十二指腸運動が,正常群と比べてどのような変化を示すかを,胃潰瘍と十二指腸潰瘍,さらにそれらを活動期と治癒期に分け検討した. (1)活動期潰瘍は,胃の蠕動と緊張およびGD angleが正常群に比べて有意に増大していた. (2)潰瘍群は胃の蠕動が増大するとき, GD angleが正常群とは逆に増大する傾向がみられた.(3)十二指腸潰瘍群は十二指腸の蠕勤が亢進するとき,逆にその緊張は低下し,その結果,異常十二指腸蠕動の出現が示唆された.

1984.04.07

CA 19-9 Activity of Serum and Pancreatic Juice in Pancreatic Diseases

膵胆道疾患患者41例を含む94例について血清中及び膵液中CA19-9活性を測定した,健常者のCA19-9値は16.6±3.6U/mlであった.膵癌及び胆道癌においては平均1000U/ml以上の値を示し,他の良性疾患においては37U/ml以下にとどまった. PancreozyminSecretin test (PS test)により採取した膵液中のCA19-9活性は健常人あるいは慢性膵炎患者より有意に高値を示した.その排出パターンも慢性膵炎と膵癌では差がみられた.

1984.04.06

Studies on the Effects of Primary Therapy for DIC Following- Circulatory Arrest

循環停止蘇生後に発生するDICの早期治療効果をヘパリン,FOYそしてFUT-175を用いて蘇生後300分まで比較した.検査項目は血小板数PT,APTT,フィブリノゲン,AT-IIIそしてFDPである.ヘパリン群では血小板数とAT-III値のみ改善された. FOY群はPT, APTTに影響を与えずに血小板数, AT-III値が改善し,FDPの増加を抑制した. FUT-175群はAPTTを延長させるが血小板数, AT-III値そしてFDP値が改善された.以上のことから循環停止蘇生後のDICに対しては蘇生直後からの早期治療が重要であり,治療薬剤の効果を検査項目の改善度から判定するとFOY, FUT-175そしてヘパリンの順であった.

1984.04.05

Changes in the Liver after Recirculation of Liver Ischemia

肝臓の虚血に対する耐容性を知るために,雑種成犬13頭を用いて, 30分, 60分の肝虚血をPringle法にて作製し,以下の結果を得た. 1) 30分虚血群では,血流再開後8時間まで6頭全例生存したのに対し, 60分虚血群では7頭中1頭が生存したのみであった. 2)血清化学検査では,血流再開後, 30分虚血群ではS-GOT, S-GPT, LDH, Al-Pの上昇は比較的軽度であったが, 60分虚血群では著明な上昇が見られた. 3)組織像では, 30分虚血群においては少数の肝細胞壊死,類壊死が認められたが, 60分虚血群では多量の肝細胞壊死を認めたものまで種々の程度の組織像が見られた.以上より,雑種成犬における肝虚血の耐容時間は30分から60分の間と考えられた.

1984.04.04

Studies on the Influence of Vasoactive Agents in Intra-arterial Infusion Chemotherapy (Part II)

動注癌化学療法における腫瘍組織血流量の増加は,制癌剤の局所到達性を高め,特にAngiotensin IIを併用すると,高い抗腫癌瘍効果がえられるものと考えられた.

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