h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1983.01.06

Comparison of the Master’s Two-step and Submaximal Treadmill Exercise Tests with Coronary Arteriography

胸痛を主訴として来院し,マスターニ階段法(M法)とトレッドミル法(T法)による運動負荷試験と冠動脈造影を施行した112例(男性96例,女性16例,平均年齢51.7歳)を対象に,主要冠動脈狭窄50%以上の冠狭窄の有無および梗塞の有無と運動負荷試験の成績との関連について検討した. M法の判定には1968年提唱のMaster陽性基準を用い, T法のそれにはSTsegmentの0.5mm以上の低下と1mm以上の低下の両基準について比較した.これらの結果は以下のごとくであった. 1. T法の陽性基準を0.5mm以上のST低下とすると,冠動脈狭窄(CAD)患者76例中57例(75.0%)が陽性を示し,1mm以上のST低下をとると44例(57.9%)が陽性を示した. specificityは,各々66.7%, 83.3%であった. 2.非梗塞群37例中, 26例(70.3%)がM法, 35例(94.6%)がT法でそれぞれ陽性を示し,梗塞群では39例中, 17例(43.6%)がM法, 22例(56.4%)がT法でそれぞれ陽性を示した. 3.非梗塞群37例中, 18例の多枝病変例を認め,うち15例(83.3%)がM法, 17例(94.4%)がT法で陽性を示した.一方, 19例の一枝病変例では11例(57.9%)のみがM法で陽性を示したのに対し, T法では18例(94.7%)が陽性を示した. 4.梗塞群においてremote vesselの病変検出率は,下壁梗塞群では88.9%と高かったが,前壁梗塞群では42.9%と低かった. 5.有意冠狭窄を認めない36例中7例(19.4%)がM法, 12例(33.3%)がT法で陽性(false positive)を呈した. false positiveを呈したM法の3例(42.9%)T法の5例(41.7%)が冠動脈スパスムであった.

1983.01.05

Replantation of Digits and Toes in Our Clinics

昭和49年から57年8月まで当科で行った指再接着手術は110症例147指になる.われわれは適応を厳密にせず再接着指を行っているが,その生着率は88.9%で諸家の報告に比べ遜色はない.特に手術手技の向上した54年以降の生着率は94.3%となっている.これらの症例について検討し,われわれの手術方法,後療法について述べた.

1983.01.04

Local Flaps and Composite Graft Used for Nasal Reconstruction

外鼻の変形や欠損の修復再建にはIocalflapやcomposite graftなど,多くの術式が用いられている.ここでは,小範囲の外鼻皮膚欠損に用いるべき修復法の適応を検討し,さらにその術式について述べた.

1983.01.03

Diagnostic Significance of CT Examination in Hepato-biliary and Pancreatic Diseases

Ohio-Nuclear社のデルタ2020HR CTスキャナを用いて,各種肝,胆道,膵疾患のCT値を測定し,本装置における基準値を設定した.代表的な肝,胆,膵疾患の診断のポイントを解説し,典型的なCT像のいくつかを呈示した. CT値を理解する上で,注意すべきアーティファクト,部分体積現象についても触れた.

1983.01.02

A Clinical Significance of Lithium Erythrocyte/Plasma Index

lithium治療中の57例の血漿,赤血球Iithium濃度および赤血球/血漿Iithium比すなわちIithium indexを測定し,その臨床的意義を考察した. 1)正常健常人である男性において血漿,赤血球Iithium濃度およびIithium indexの経時的変化を調べた. lithium indexが安定するために約7日間を要し,また投薬量の変更によってもIithium indexは変化しなかった. 2) lithium indexの性差では,男性29.6±8.4%,女性39.6±11.8%と女性に有意に高くなった. (p<0.05) 3)急性期における治療効果判定とIithium indexについては,有効群36.6±9.5%無効群27.9±10.1%と有効群に高い傾向がみられた. (p<0.10) 4) lithium予防効果とIithium indexの間には有意の相関は認められなかった. 5)副作用出現頻度とIithium indexの間にも有意の相関は認められなかった. 6)本研究の対象患者中特に高いIithium indexの症例の中には,中毒症状の出現した躁うつ病1例,全身性紅斑性狼瘡の精神症状として発病しsteroidを使用している1例,喘息を併発し steroidを使用している躁うつ病1例,脳腫瘍の精神症状として発病した1例などの症例がみられた.これら症状器質精神病でIithium indexが上昇している事実は,脳へのIithiumとり込みが増加していることを推定させる.

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