h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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1979.02.11

Lower Lung Field Tuberculosis

下肺野結核の頻度や臨床的特徴についてのべた.昭和49年正月より53年6月迄の4年半に,川崎医科大学呼吸器内科へ入院した肺結核の患者は79名であった.そのうちの10名(13%)が下肺野の結核であり,3名は結核腫,3名は気管支結核による閉塞性肺炎,4名が結核性肺炎であった.結核性肺炎の4名は有症状者であり,PPDテストは強陽性であった.胸部X線像は右下肺野の浸潤陰影であり,2例が有空洞,2例が肺門リンパ節腫を伴っていた. INH,RFP,SMにて初回強化療法が行なわれたところ,症状,胸部X線像喀痰抗酸菌ともに改善した.

1979.02.10

Clinical Observation on Carcinoma of the Maxillary Sinuses: A 15-year Survey in our Clinic.

川崎病院において昭和35~49年の15年間にとりあつかった上顎癌患者138例について統計的検討を行なった.患者の年齢分布では60歳代に多く,性別では男性に多く女性の約2倍であり,初発症状の多くは片側鼻閉,頬部腫脹,鼻出血であった.治療法別による遠隔成績では「手術+放・療+薬物」がもっともよく5年生存率が46.3%であった.手術施行群の方が手術非施行群に比較して好成績であり,全身投与による抗腫瘍剤の効果もあったと考えられた.70歳以上の高齢者でも何らかの癌治療を受けたものは,全く治療を受けなかったものに比較して著しい延命効果が認められた.

1979.02.09

Radiation Therapy of Esophageal Cancer ―Relationship between the Depth of Ulcer and Radioresponsibility―

食道癌の潰瘍の深さと腫瘍の放射線感受性について検討した.深さ5mm以上の潰瘍を有する腫瘍は放射線治療に対する反応が悪かった.70Gyの照射にても食道造影写真上の陰影欠損は64.1%に縮小したにすぎない.一方深さ5mm以下の症例では治療前の欠損長の19.1%に縮小した.深い潰瘍を有する食道癌の放射線抵抗性の原因として低酸素細胞の存在が考えられた.この低酸素細胞の問題の解決方法として不均等分割照射, boost therapy としての低線量率腔内照射, hypoxic cell radiosensitizer の併用のもつ利点について臨床的,放射線生物学的考察を加えた.

1979.02.08

DNCB Test in Various Diseases

各種疾患患者78例についてDNCB試験を行なった結果,悪性腫瘍,自己免疫性疾患,アトピー性皮膚炎,結節性紅斑,潰瘍性大腸炎において陰性例が多くみられた.

1979.02.07

Second Report of Radiotherapy Patients Registration by Computer (PC-12) (Results of Radiotherapy during Past Five Years)

小型電子計算機(PC-12)の病歴管理システムを使って, 1974年4月より1979年3月の間に,川崎医科大学附属病院放射線治療部で治療を受けた512例の患者の診療内容につき分析を行なった.また中央病歴室の癌登録簿を集計して,同時期の入院悪性腫瘍患者の治療において占める放射線治療の位置についても検討を加えた.512例中,悪性疾患は468例(91.4%)であり,それは入院悪性腫瘍患者の31.2%に該当した.原発部位でみると,頭頸部,縦隔,食道,軟部組織,睾丸,眼,脳で放射線治療の比が大きく,逆に食道を除く消化器官,骨,卵巣,甲状腺では比が小さかった.年齢的には,30歳以下の若い年齢層で放射線治療の比が大きかった.全悪性腫瘍患者の放射線治療成績は,累積4年生存率で, 38.5%となり,国立ガンセンターの成績に匹敵した.

1979.02.06

Clinical arid Nursing Report of 143 Low Birth-Weight Infants in Pediatric Ward of Kawasaki Medical School Hospital

昭和50年1月から昭和53年12月までに,川崎医科大学附属病院小児科に入院した低出生体重児143名を対象にして,発症原因と分娩時異常,呼吸障害,黄疸,感染症,低血糖,痙攣など合併症の有無,さらに死亡原因を調べた.発症原因は不明が44.1%でもっとも多く,ついで妊娠中毒症23.1%,双胎18.2%,前置胎盤6.3%の順であった.分娩時異常は新生児重症仮死11名,帝王切開15名,分娩時外傷4名,胎盤機能不全16名であった.呼吸障害は46名にみられ,中枢性無呼吸発作が19名,特発性呼吸窮迫症候群が13名,肺炎と一過性多呼吸がそれぞれ6名などであった.黄疸に対する光線療法は45.5%に施行した.核黄疸症状の出現したものは1名もなかった.感染症は肺炎が7名,腸炎が2名,髄膜炎,敗血症,腹膜炎がそれぞれ1名であった.低血糖症は4名に,けいれんは6名にそれぞれ発症した.15名が死亡した.死因は呼吸障害が4名,感染症が2名,頭蓋内出血,急性腎不全,吸引性肺炎,DIC,食道閉鎖,胃破裂,水頭症,十二指腸閉鎖がそれぞれ1名であった.死亡率は10.5%であり,出生時体重別にみると,2,000~2,499 g が2.1%,1,500~1,999g が8.3%,1,000~1,499g が26.3%,999g 以下が75.0%であった.

1979.02.05

Studies on the Hemoglobin Biosynthesis. II. Analitical Method of Hemoglobin by CM Cellulose Column Chromatography : Improvement of Microcolumn Chromatographic Method.

In vitro で合成されたヘモグロビンの分析にCMセルロース(CM23 およびCM52)を用いるミクロカラムクロマトグラフィーを開発,応用した.担体による分析値(β/α比)の差異は殆んどみられず,また従来から用いられている大カラム法との比較からもミクロカラム法による分析は有効であることがわかった.CM23 セルロースミクロカラムクロマトグラフィーでの所要分析時間は3時間以内と短いものである.本法の臨床診断(特にサラセミア症候群)への応用が期待される,

1979.02.04

Studies on the Hemoglobin Biosynthesis. I. On the Concentration of Feticulocytes from Peripheral Blood.

低含量reticulocyte血液から集められた赤血球を冷室(8℃)中,30分間,高速遠心(最高遠心力:15,600×G)することにより約10倍に濃縮されたreticulocyte rich red cellを回収することができた.正常人あるいは非貧血性患者のヘモグロビン合成研究にこの操作によって得られたreticulocyte rich red cell は有効なものであった.

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