2023.05.15
A case of Perianal basal cell carcinoma
基底細胞癌は,露出部位,特に顔面・頭頚部に好発する腫瘍で,臀部に発生することは稀である.今回我々は,肛門周囲皮膚に発生した基底細胞癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は63歳,女性.肛囲4時の方向に20×35mm 大の腫瘤を認め,皮膚科で生検を施行され基底細胞癌の診断であった.手術目的で当科紹介となった.当科にて単純切除し術後経過良好であった.肛門周囲で発生した基底細胞癌の場合,肛門管類基底細胞癌と鑑別する必要がある.肛門管類基底細胞癌は予後不良であり切除範囲も大きく異なるため,念頭に置きながら鑑別をしていかなければならない.
2023.01.12
Advanced gastrointestinal stromal tumor with intracerebral hemorrhage during sunitinib treatment
2022.12.19
Temporal dispersion in vasculitic neuropathy: its microscopic ultrastructural findings
症例は35歳男性.32歳のときに右腓腹神経・足底神経支配領域の異常感覚で発症し,その後,左腓腹神経・足底神経領域,両側尺骨神経領域に感覚障害が拡大した.神経伝導検査では,左脛骨神経複合筋活電位において,時間的分散の所見が認められた.腓腹神経生検では,神経上膜にフィブリノイド壊死を伴う壊死性血管炎を認めた.エポン包埋トルイジン青染色では、有髄神経線維の脱落が著明であり,髄鞘の薄い再生軸索が認められた.電子顕微鏡による観察では,脱髄は認められず,軸索の再生が認められたが,髄鞘再生に乏しいthin myelin が特徴的であった.神経伝導検査で,伝導ブロックや時間的分散といった脱髄を疑う所見を呈する血管炎性ニューロパチーについて24例の報告があるが,これまで電子顕微鏡による観察はされていない.血管炎性ニューロパチーによって惹起される時間的分散の出現機序について,微細構造所見を基に考察する.




