h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1994.01.06

Treatment of Trochanteric Fractures with the Judet-Letournel Screw Plate *

大腿骨転子部骨折11例に対しJudet-Letournel骨端プレートを用いて骨接合を行った.1例は軽い内反変形を生じたが全例に骨癒合を得た.このプレートは強固な固定力が得られ,転子部の不安定型の骨折,特に骨折線が骨幹部に長く及ぶ骨折に対し有用であるが,高齢者の骨粗鬆の強い症例に対しては適応を慎重にすべきである. 
(平成5年11月30日採用)

1994.01.05

A Study of Panic Disorder. Part 2. ―Drug Treatment of Panic Attacks― *

Panic disorder 95例のうち52例にalprazolam平均1.2 mg/日(0.4 mg/日―2.4 mg/日)の投与が行われ, 71%に有効以上の改善があった. alprazolamを使用しなかった43例の有効以上の改善は, 35.7%であった. Panic disorderに対する全ての治療効果に性差はなかった. sulpirideは, alprazolamと併用してもalprazolamの治療効果に影響を与えるものではなく,併用の意味はなかった. Panic disorderの罹病期間の長短に関係なくalprazolamは効果的であった.                 (平成6年1月18日採用)

1994.01.04

A Study of Panic Disorder. Part 1. *

昭和63年1月より平成4年12月末の間に,川崎医科大学精神科を受診した新患患者は4991名あり, ICD-9の診断で不安神経症と診断された患者は271名(男135名,女82名)あった.そのうち95名(男56名,女39名)全体の1.9%がPanic disorder と考えられた.初発年齢は20歳代から30歳代にかけてが多かった.男女比は,男:女= 1.44:1とほぽ同数で,米国の男:女=1:3と相違があった.当科を受診する以前に8割以上が医療機関を受診していたが,適切な診断治療はほとんどなされておらず,今後一層のPanic disorder概念の普及が必要とされると考えられた.               (平成5年12月8日採用)

1994.01.03

Mass Screening for Colorectal Cancer in Local Inhabitants *

わが国の大腸癌死亡率の増加に伴い第2次予防としての大腸癌検診の重要性が認識されてきている.今回我々は岡山県内のモデル地域において1986年から1991年までの6年間に実施した大腸集検の成績について検討した.スクリーニングには免疫便潜血検査を用いたが,これは従来の化学法では感度が低く食事制限が必要なため現在は免疫法が主流となってきている.検診結果から要精検率は平均9.6%で,精検受診率は81.0%であった.発見大腸癌症例は11例で,発見率は全体で0.12%であった.部位別にみるとS状結腸が7例で最も多く, Dukes分類ではAが10例でBが1例であった.受診歴からみると経年受診者はすべてDukes分類のAであり,このことから検診未受診者の受診勧奨とともに逐年検診が重要と考えられた.                       (平成5年11月16日採用)

1994.01.02

Development and Application of CCD Yideomicroscope with Gradient Index Lens for Intravital Analysis of Organ Microcirculation *

レーザーの開発に始まる光エレクトロニクスの発展,光IC技術の進歩など光技術はめざましい発展をし,さまざまな分野でその波及効果がみられている.循環器分野でもしかりであり,血流分野でも光エレクトロニクスの展開がみられている.われわれの研究課題である冠循環は,心筋の栄養血管であるが,その血流障害の結果として,狭心症や心筋梗塞を引き起こす.しかし,心拍動に伴って冠血管も拍動しているので,これまでの方法では心筋内微小血管での血流や血管イメージは不可能であった.そこで,我々は,新しく開発したニードル型CCD (Charge Coupled Device)顕微鏡(日本光電と共同研究)を用いることによって,初めて拍動下心内膜側微小血管の血管イメージングを得ることに成功し,同部での血管動態評価が可能となった.今日の結果を要約すると,1)心内膜側細動脈および細静脈の血管径は拡張末期から収縮末期にかけて約20%減少した.2)心内膜側細動・細静脈ともに血管径が小さいほど,径の拍動変化が小さい傾向が見られた.本法は他臓器にも応用可能であり腎微小循環,口腔内微小循環の研究が進んでいる.                        (平成5年11月29日採用)

← newer entries older entries →