1984.03.07
A Case of Lipoma in the Deep Part of Neck
1984.03.06
Clinical study on fourteen cases of fulminant hepatitis
過去10年間に経験した劇症肝炎14例につき,病因,治療,含併症等の分析を行い,高橋らにより提唱された予後判定の数量化理論を用いて,予後に及ほす諸因子の検討を加えた.予後を左右する主な因子は年齢,性別,昏睡度,総ビリルビン/直接ビリルビン比,DICや消化管出血などの含併症であった.劇症肝炎の管理や治療についての具体的な指針を呈示し集中治療システムHepatic Care Unit (HCU)の設置の必要性を提言した.
1984.03.05
Myofibrillar Protein Metabolism in Low-birtlv-weight Infants
低出生体重児の筋原線維蛋白質代謝を検討する目的で,低出生体重児31名(AFD群16名, SFD群15名)を,出生後1-2日, 6-7日, 2週, 3週, 4週の5回,経時的に24時間尿を蓄尿採取し,尿中排泄3-methylhistidine (3MH)とcreatinine (Cr)量を測定した.その結果, (1)低出生体重児の尿中排泄3MH量を比較検討する際の単位基準は,当kg体重量, Cr比どちらでもよいが,後者のほうがやや優れていた.(2)尿中排泄3MHの当kg体重量, Cr比はいずれも4週においてSFD群がAFD群より高値であったが,その差は有意でなかった.(3) AFD, SFD各群内の経時的変化の比較では両測定値ともAFD群は各年齢間に有意差がなかったが, SFD群では4週において6-7日と2週より, Cr比においてそれぞれ高値であった.(4)低出生体重児では生後3週から4週の筋原線維蛋白質異化率はAFD, SFD両群とも成人値の3. 3倍であった.以上,成長の盛んな低出生体重児では筋原線維蛋白質のターンオーバーが成人より活発であり,また, SFD児は子宮内発育遅滞からの回復が生後4週頃に活発さを増すことが判明した.
1984.03.05
Nevus Comedonicus on the Right Cheek
1984.03.04
Comparison of lymphography and computed tomography in cases of malignant lymphoma
CTとリンパ造影の両方を施行された11例のmalignant lymphomaのCT像とリンパ造影像を比較した.リンパ造影では, cisterna chyliまでしかリンパ節は造影されず,膵周囲リンパ節,横隔膜脚リンパ節,縦隔リンパ節は描出不能であった.CTは,両足背からのリンパ造影の造影剤の届かないリンパ節の異常を描出できる点で,リンパ造影より優っていた.しかしながら,リンパ節の細かい構造を詳細には描出し得なかった. malignant lymphomaにおいて, CTは, follow up studyとしてはもちろん,初期の病期判定に関して最も有効な検査法であった.
1984.03.04
Morphological Study of Microfold Cells of Intestinal Lymphoid Follicles in Peyer’s Patches
1984.03.03
Colonoscopic Examination for Lower Intestinal Bleeding*
1973年より1982年の9年間に川崎医大内科消化器部門IIに入院した下部消化管疾患患者は,553名であった.このうち210例(38.0%)に下部消化管出血を認めた.これらの症例を対象に内視鏡所見を中心に検討を加え以下の結論を得た.1.出血期間にて分類すると, 162例(77.1%)は持続型であり,とくに腫瘍性疾患では,98例(92.5%)が持続型であった.虚血性大腸炎,抗生物質起因性出血性腸炎,直腸潰瘍では全例一過性型であった.2.内視鏡検査は182例に施行され,このうち168例(92.3%)で病変の確認ないしは疑診がなされた.3.緊急内視鏡検査は21例に施行され,その診断的意義は大きい.4.大量下血例では,小腸の検索も必要である.
1984.03.03
Effect of Sodium Molybdate on Androgen Binding to Its Receptor from Shionogi Carcinoma 115
1984.03.02
Collagen and Stromal Proliferation as Preventive Mechanisms against Cancer Invasion by Polysaccharides from Human Tubercle Bacillus (SSM)
今日,癌免疫療法の主役を演ずる細胞は,リンパ球,N-K細胞,マクロファージと考えられているが,皮膚,臓器移植,試験管内での知見と異なって,生体内に一緩発生し,無限に増殖を続け,かつ,抗原性の弱い癌細胞の抑制には,癌増殖に対応する体内既存の免疫担当細胞に期待しても不可能に近い.これに反して,生体内にあまねく分布する間質細胞,間葉細胞に由来する結合織の増殖,コラーゲンの合成,増殖は癌増殖を抑制する最も重要な生体防御機転である.人型結核菌体抽出多糖体(丸山ワクチン)の作用は化学療法のような直接的癌殺傷作用はないが癌間質(血管,筋,神経,軟骨等の線維成分)のコラーゲン増殖を促進するもので,免疫T一細胞,マクロファージ,牌細胞はこのコラーゲン増殖をさらに二次的に増強した.すなわち,丸山ワクチンの抗癌作用は乳癌を主体とする臨床治験で治癒困難である癌性潰瘍の治癒,癌破壊局所の修復,ひいてはコラーゲン増殖による癌封じ込め,癌瘢痕化を招来する重要な抗癌機序である.したがって,丸山ワクチンの効果を期待するには,癌が小さければ小さいほど効果的で,早期より使用し,長期間使用するほど効果的であった.この臨床的事実を実証すべく,更にT―細胞欠除のヌードマウスへの人癌(胃癌,肺癌)のxenograftsを作製して,丸山ワクチンをモデルとして癌浸潤への防御機転としての癌問質,基質の結合織およびコラーゲン増殖が如何に重要であるかを明らかにすることができた.