h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

topimage01

1983.03.09

Practice of the New Problem List in the Problem-Oriented Medical Records (POMR).

Problem listはProblem-Oriented Medical Records (POMR)の中枢をなす最も重要なものである.我々は,総合診療部(プライマリ・ケア部門)の発足以来約2年間,診療記録の記載を他科と同様にPOMRで行ってきた.しかし, problem listについては,我々の部門が設置されるにあたり,我々が研修を受け,そのモデルとなったベス・イスラエル病院で使用されているproblem listを用いてきた.その主な特徴は,次のようなものである. (1)問題として取り上げられたproblemが,現在activeとして治療,あるいは,ケアを要するものか,既に解決済みでケアを要しないものなのかの区別が明確である. (2) problemが解決されていく過程を記述することができる.以上,ベス・イスラエル方式のproblem listは,大変に有用性が高いと考えられる.

1983.03.08

PB/KOH/PAS Staining in Colonic Cancer

Periodate borohydride/potassium hydroxide/periodic acid-Schiff (PB/KOH/ PAS)染色を種々の腺癌組織に応用し,大腸癌同定におけるその有用性について検討した.PB/KOH/PAS染色は,糖鎖の非還元末端に位置するsialic acidの種類を組織化学的に識別できる方法で, O-acylated sialic acidを多量に含む大腸粘液をほほ特異的に染め出すことが可能である.盲腸部腺癌では78%に,結腸癌では35%に,直腸癌では33%に陽性であったが,未分化になればなるほど陰性となることが多かった.偽陽性例として,卵巣癌10例中1例の癌細胞内および胃癌11例中1例に管腔内粘液陽性を認めた.これらの結果より,本法は陰性例,偽陽性例も多少みられることを考慮に入れれば,大腸癌同定の補助手段としてある程度まで利用できるといえると考えた.また,粘液についても一般的に概説を加えた.

1983.03.07

Biochemical Analysis of the Human Epidermal Stratum Corneum in Normal and Keratinization Disorders

正常及び種々の角化異常症より得た角層をケラチン線維,可溶性成分ならびに角質細胞膜及び膜間物質の3画分に分け SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)をケラチン線維画分と可溶性画分に,アミノ酸分析をケラチン線維と膜及び膜間物質画分に施行した. ケラチン線維画分のSDS-PAGEは正常人で分子量1:73,000 2:69,000 3:62,000 4:55,000 5:53,000 6:49,000 7:47,000の7本のバンドが認められ,尋常性乾癬の1例で第1, 2番目の減少が認められた.また尋常性乾癬に対するレチノイド(Ro10-9359,etretmate)投与で第2番目の増加と第3番目以下の減少が認められた. 可溶性画分のSDS-PAGEは正常人で分子量15,000のバンドが認められた.角化異常症で特記すべき異常所見は認められなかった. アミノ酸分析においては特に膜及び膜間物質画分で角化異常症に様々な変化が認められた.尋常性乾癬,毛孔性紅色粃糠疹でプロリンの減少を認めた.掌蹠角化症,非水疱型魚鱗様紅皮症,遺伝性半透明丘疹末端角化症で1/2シスチンの増加が認められ,前2着ではプロリンの著しい増加を認めた.また尋常性乾癬に対するレチノイド投与により1/2シスチン,プロリン,グリシンの増加が認められた.

1983.03.06

Preservation of the Fresh Colour in Museum Specimen

病理肉眼標本の作製において, Kaiserling発表以来の12種類の方法を検討した.材料には,出血部や転移性腫瘍部を含む未固定の肝臓を用いた.結果として,本来の色調に最も類似していたのは, Romhanyi法であった. Romhanyi法が他の方法に比べ良好であった理由として,保存液に含まれる種々の窒素塩基による効果が考えられた.

1983.03.05

Relationship Between Blood Pressure and Nutrients and Others in Men Admitted to Our Hospital for Dock Examination

昭和52年から55年の間の入院ドック検診受診者のうち 40~69歳の男性465名を対象に血圧と栄養素摂取量等との関係を調べ,次の結果が得られた. 1)随時血圧および近似基礎血圧と肥満度との間に有意の正の相関が認められたが,近似基礎血圧の場合が随時血圧のそれより強かった. 2)蛋白質,鉄,V.Cを除くと栄養素摂取量は我が国の栄養所要量と比べて少なかった. 3)血圧と蛋白質,脂肪 Ca,V.B1,V.B2 の摂取量とに60歳代では負の関係がみられたが,血圧と食塩とには関係がみられなかった. 4)血圧と10栄養素摂取量との重相関係数は有意だったが, 60歳代を除くと肥満度との相関係数より小さかった.以上より60歳代では血圧に栄養素, 40歳代および50歳代では血圧に肥満度の関連が強いことが推定される.

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