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Online edition:ISSN 2758-089X

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1983.03.04

Clinical Study of Upper-Gastrointestinal Tract Hemorrhage (The First Report) : Diagnostic Value of Emergency Endoscopy

我々は,過去2年4カ月間(1979.4-1981.7)に急性上部消化管出血126例に対し緊急 内視鏡検査を施行し,これらに臨床的検討を加えた.疾患別頻度は,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,出血性胃炎,食道潰瘍または食道びらん,胃癌の順であった. 出血性胃潰瘍は加齢とともに増加し70歳代で最も多かった.潰瘍の発生部位では,胃体上部が最も多く,やむを得ず施行した手術例では胃体中部が最も多かった. 出血性胃潰瘍の潰瘍底を熊田の分類1)に従い, II-A群およびII-C群は予後不良となるものが多く,厳重な管理が必要である.

1983.03.03

Experiences of Endoscopic Polypectomy for Gastric Polyps -Appraisal on the Application of the Polypectomy Based on the Polyps Combined with Carcinoma-

高周波電流による内視鏡的胃ポリペクトミー29症例における44病変について行い,それらの臨床病理学的検討と共に,特殊な2例について詳細に症例報告を行い,それらを中心として内視鏡的ポリペクトミーの適用について若干の考察を加えた.特殊例は,生検ではATPのみであったがポリペクトミー標本の組織検査でfocal carcinoma in situが見出された1症例と,生検ではhyperplastic polypの所見のみであったが,ポリペクトミー標本の組織検査で断端近くにまで達するfocal invasive cancerが発見されたため2/3胃切除を行い,ポリペクトミー部に残存癌を認めなかった1症例である.それらを基礎にして内視鏡的胃ポリペクトミーは,簡便な治療法としてだけではなく病変のより広範な組織検索を可能にすることから,通常の良性胃ポリープと考えられるものにも,適用する方が好ましいことを強調した.

1983.03.02

Background Factors of Inoperated Lung Cancer Patients Survived more than Eighteen Months 2 : Comparison of Cases Treated 1978-80.

肺癌は,本邦においてなおも著しい増加を続け,予後も治癒切除以外の場合は極めて悪く,まして,症例の半数以上を占める非観血的療法群の2年生存率は8.1%,また5年生存率は2%以下である.:前回の検討で,比較的長期間の生存をうる患者は,老齢者であり,その腫癌が緩徐に増大するという印象をうけた.従って, 1978年より1980年迄に手術をうけなかった患者で, 18カ月以上の生存をした患者の背景因子を検討すると共に,特に年齢因子について再度検討を行った. 1978年1月より1980年12月迄に本院で非観血的療法をうけた94症例のうち, 18カ月以上生存した肺癌患者は17例(18.1%)であった.前回同様,比較的長期間生存する肺癌患者の条件は,臨床病期が早く,治療に反応することであった.しかし,今回は加齢による長期生存の傾向は認められず,一概に老齢者の腫癌は緩徐に増大するとはいえず,年齢因子は予後を左右する大きな因子とはなり得なかった.再度,非観血的療法における背景因子について,考察を加えた.

1983.03.01

Pathology of Pertussis II. Intrauterine Infection of Bordetella Pertussis : Study on Target Cells

百日咳菌をマウスの子宮内に接種し,その運命および宿主の反応を観察した.菌は,子宮腔内で貧食されたり,子宮内膜の問質に侵入して,この部で貧食されるが,決して卵管内には侵入しなかった.肺や脳内感染の実験でみられた百日咳菌感染の特徴である繊毛上皮親和性や上皮下への非侵入性はみられなかった.百日咳感染の特徴的病態は,単に菌の能動的性格のみによるものではなく,宿主と菌との相互関係の上に成立することを示していると考えられた.

1983.02.14

Acute Suppurative Thyroiditis : A Case Report

急性化膿性甲状腺炎はまれな疾患であり,その感染経路については明らかではない.最近,高井や宮内らは,左下咽頭梨状窩から始まる内瘻が重要な感染経路であると強調している.今回, 22歳の男性に発症した急性甲状腺炎を報告し,食道造影により左下咽頭梨状窩瘻を証明した.

1983.02.13

A Case of Congenital Choledochal Cyst in Adult

35歳男性に発生した先天性総胆管嚢腫の1例を報告した.エコーグラフィ及びCTスキャンで肝下面の巨大な嚢腫を証明した.手術は完全摘出を施行し,肝門部でRoux-en-Y吻合による肝管空腸吻合で再建した.本症について文献的に考察を加えた.

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