2022.12.09
Pathophysiological analysis of detrusor overactivity following partial bladder outlet obstruction
2022.12.07
Treatments and management for COVID-19
2022.12.07
A case of isolated thyroid metastasis that was diagnosed 24 years after renal cancer surgery
転移性甲状腺癌において原発部位は腎癌が最も多いとされているが,今回腎癌術後24年と長期間経過後に孤立性甲状腺転移の症例を経験したので報告する.症例は68歳,女性.既往歴に右乳癌,両側肺癌,左腎癌あり.右乳癌温存術後の放射線治療目的に前医より当院放射線治療部に紹介.位置決めCT で甲状腺右葉腫瘤を指摘され当科紹介.頸部超音波で甲状腺右葉に約3㎝大の被膜を有する低エコー腫瘤を認めた.穿刺吸引細胞診で良性との結果で経過観察としていた.その後,腫瘤の増大を認めたため,手術を勧め,甲状腺右葉切除術を行った.術後病理検査で腎癌(淡明細胞癌)の転移との診断であった.その後当院泌尿器科に紹介し,全身精査するも明らかな遠隔転移なく経過観察となっている.腎癌術後に甲状腺腫瘤を認める場合は転移の可能性を考慮する必要性があると考える.
2022.12.06
Pathological analysis of spermatic dysfunction following testicular ischemia-reperfusion injury
2022.12.01
Evaluation of laparoscopic and robotic sacrocolpopexy with total hysterectomy using the POP-Q system and EQ-5D
背景:超高齢社会の到来で,QOL を損なう骨盤臓器脱に対する手術療法は増加し,当院でも腹腔鏡・ロボット仙骨腟メッシュ固定術(LSC・RSC)を行っている.子宮の取り扱いは施設によって異なり,子宮温存,子宮亜全摘,子宮全摘術のいずれかを併用する.子宮全摘を併用した場合,メッシュびらんの頻度が増加するという報告があり,メッシュびらんを予防する目的で子宮頚部を残す腟上部切断術が主流である.しかし,悪性病変の発生リスクを低減するために,当院では子宮全摘を伴うLSC・RSC を施行している.これまで子宮全摘を伴うLSC・RSC に限定してPOP-Q スコアやQOL を評価した報告はない.今回,子宮全摘を伴うLSC・RSC での術前術後の骨盤臓器脱の構造的な評価方法であるPOP-Q システムによるスコアリングとQOL の評価方法であるEQ-5D を用いて,当院で行っているLSC・RSC の有効性,患者満足度を検討した. 方法:2020年4月より1年間,骨盤臓器脱の患者に同意を得て,手術前後でPOP-Q システムの記録とEQ-5D による質問を実施し,POP-Q システムのスコア,stage とEQ-5D の関係や手術前後の評価を行った. 結果:症例は合計22例で,術式はLSC とRSC によるものが各11例であった.全体の手術成績平均は,手術時間148分,出血量30 ml,摘出子宮54 g だった.全体のPOP-Q stage は,術前平均2.45,術後平均0.41で,有意に改善を認めた(p <0.001).全体のEQ-5D のスコアは,術前0.719,術後0.991で有意に改善を認めた(p<0.001).また2022年3月までの観察期間中,再発やメッシュびらんを認めた症例はなかった.子宮全摘を併用したLSC・RSC は,腹腔鏡とロボットのいずれにおいてもQOL を改善した.短期から中期の観察ではあるが再発やメッシュびらんを認めなかった.子宮全摘を併用したLSC・RSC は,仙骨腟メッシュ固定術の一つの選択肢となり得ると考えられた.
2022.11.21
An Accidental Ingestion Of A Hearing Aid Including A Litium-Ion Rechargeable Battery Which Resulted In Spontaneous Excretion
認知機能障害がある高齢者は,異物誤飲を生じるリスクとなりうる.これは認知症の併存によって誤飲の事実を患者本人が認知していないことや異物誤飲による症状が非特異的,もしくは無症候性であることが多いことと関係している.このため認知機能障害のある高齢者において異物誤飲は発見が遅れる可能性がある.リチウムイオン充電式電池を内蔵した補聴器の誤飲がMRI の撮像を契機に発覚し,その後合併症なく自然排泄が得られた症例を経験したので報告する.症例は82歳女性,尿路感染の診断で入院となった.入院時から不穏行動があり,感染症によるせん妄が疑われた.入院2日目に補聴器を紛失したと訴え捜索を行ったが発見できなかった.入院4日目に腰椎圧迫骨折の精査目的で行ったMRI 検査において腹腔内に強いアーチファクトを認め,補聴器の誤飲が疑われた.腹部CT 検査を行い,補聴器であることを確認した.補聴器が充電式であることやトライツ靭帯を超え横行結腸に存在していることから外科的摘出を行わず自然排泄を待つこととした.その後,異物・電池誤飲に伴う腸管症状をきたすことなく経過し,入院5日目に補聴器が自然排泄された.精神疾患患者や高齢患者など,誤飲を生じうる患者が嚥下可能なサイズの装着物を紛失した際には,X線検査を行うことで発見できる可能性がある.異物誤飲に伴う腸閉塞や腸管損傷に加え,補聴器に使用されている電池がボタン型電池であるのか内蔵型の充電式電池であるのかによって,誤飲に伴う合併症の有無を評価し,対応する必要がある.